著者は1929年(時実新子サンと同い年なんですね)、神戸生まれ。我が大学の大先輩です。 私が、その回し者と言われている(誰も言ってない?)風流堂サンは雲州松江の名店ですが、雲州つながりで 出雲市ご在住の畏友・維真尽サンや、やはり神戸ご出身で”出雲”に深い関心を抱いておられる素敵な美人奥様ハッチさんと知り合ったものですから、”出雲”の名を冠した本書に反応、一気読みしてしまいました。 物語は、後に須佐乃男と呼ばれるようになる男が吉備の国(岡山)から山越えで、”八雲立つ出雲”の国に入るところから始まる。 来(木)次の郷長の娘・櫛稲田日女(くしいなだひめ)を八岐の大蛇(やまたのおろち)から救ったことから、この女を妻とし、この国に定住することになった須佐乃男は各地で妻問いを行い、大蛇退治の名声と相まって、次々と子供と勢力を増やしていく。 忌部(いむべ)の出湯で知り合った大草(さくさ)郷の大市日女との