東京・千駄ケ谷の将棋会館で11日に指された、将棋のプロ棋士とコンピューターソフトの五番勝負「電王戦FINAL(ファイナル)」の最終第5局。開始からわずか49分、21手で阿久津主税(あくつ・ちから)八段(32)がソフト「AWAKE(アウェイク)」に勝ち、通算3勝2敗で棋士側の初の団体戦勝利が決まった。2年連続で負け越していた棋士側の入念な対策が功を奏した形だ。 棋士側の2連勝のあと2連敗で迎えた最終局は、突然の幕切れとなった。阿久津八段が自分の玉の近くに空間を作ったのがわな。ここにAWAKEが角を打ち込み、その角が成って価値の高い「馬」を作れる形にはなったが、逆に約10手後にはその馬が捕獲されるのが確実となった。 そこで開発者の巨瀬(こせ)亮一さん(27)があっさりと投了を告げた。巨瀬さんは以前、プロ棋士養成機関「奨励会」に在籍し、腕を磨いた。この局面で角(馬)を失ったまま指し続けても勝利は