青空文庫は唯一の成功した和製「プラットフォーム」 だが青空文庫の意義は、単に提供しているコンテンツの質や量にとどまるものではない。オープンな電子書籍「プラットフォーム」である点も重要だ。青空文庫は、民間主導で発展した、「プラットフォーム」として、日本ではまれな成功例の一つである。 「プラットフォーム」とは何か。さまざまな含みがあり、その定義は容易ではない。ある企業にとっては「多数の企業から利用料を取るビジネス」のことであったり、別のある企業にとっては、「多数の利用者から利用料を一括して徴収し、コンテンツやサービス提供者に割り振るサービス」であったりする。 さらに、「配信サーバ」の意味で使う人もいるし、「規格や配信経路、端末をトータルでコントロールすることで利益を得るサービス」といった意味で使う人もいる。最後の例は、「垂直統合モデル」とか「エコシステム」などという別名もある。念頭におかれてい