私が大学院へ入つた時に行われた八王子セミナーハウスでの合宿には、芳賀先生の縁で大岡信が講演に来ていたのだが、丸谷才一らと連句をした時に丸谷が「モンローの伝記下訳五萬円」とやったたのでみな呆れたが、大岡がそのあとへ「どさりと落ちる軒の残雪」とつけた、と言うので、みなおおーと感心したのだが、これはどの本に載っているのか、確認を忘れていた。 しかし、もし丸谷がモンローってもちろんノーマ・ジーンであろうが、その伝記の下訳をしたのか、というに、モンローが死んで伝記が出るころは丸谷はもう45を超している。 可能性があるのはノーマン・メイラーの『マリリン : その実像と死』(中井勲訳 継書房: 高等教育研究会 (発売), 1973)なのだが、この中井勲という人、1917年生まれだから確かに丸谷より年上なのだが、何者だか全然今のところ分からない。現物を見るとプロファイルあるのだろうか。 (付記:中井は、愛