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2012年10月31日のブックマーク (3件)

  • 中村桃子『女ことばと日本語』岩波書店(岩波新書)(2012.8.21初版発行): book-read

    「現在、最も典型的な女ことばを話しているのは、日人女性ではなく、翻訳の中の非日人女性なのです」(10頁)とまで言われる「女ことば」に対する一般的な観念・イメージがどのようにして成立してきたのかを扱っっている。 とても読みやすく、分かりやすく、「そうだったのか!」という新鮮な知的発見に溢れている。 女性の多様な言葉づかいがどうして「女ことば」という一つのカテゴリーを形成したのか、女らしい話し方はなぜいつ女性の話し方のルールになったのか、なぜメディアの作り手は「女ことば」の知識を発信してきたのか、女ことばは日語の伝統だなどの信念はいつから生まれたのかという、基的な問いに答えようとしている。 そして、その答えは次のように、まさに驚くべきものである。  「女の言葉づかいが規範の対象として語られ始めたのは鎌倉・室町時代であったことに驚かれるかもしれません。一方で、特定の人称詞や文末詞が「女こ

  • 物言いは“すべからく”上品に:日経ビジネスオンライン

    橋下徹大阪市長に関する特集記事が掲載された週刊朝日(10月26日号)を、私は、発売日の昼過ぎに入手した。 購入を急いだのは、ツイッターのタイムラインがちょっとした騒ぎになっていたからだ。 「これは早めにおさえておかないと売り切れになるぞ」 そう直感した私は、直近のコンビニに走った。 さいわい、店の棚には最後の一冊が残っている。運が良かったのだと思う。 周囲には、買いそこねた連中が結構いる。聞けば、翌日の朝には、どこの書店を探しても見つからない状態になっていたらしい。それだけ良く売れたということだ。 が、話は、売れ行き好調ということだけでは終わらない。 その後に起こった一連の出来事を考えれば、雑誌が完売したことは、悪夢のはじまりに過ぎなかった。 なんだか、大仰な書き方になっている。 昭和のルポルタージュの文体に影響されているのかもしれない。 怨嗟と情念。夜霧に浮かぶ影のような記憶。こういうも

    物言いは“すべからく”上品に:日経ビジネスオンライン
  • 第24回 日本語の数え方――かやはらレポート⑥|へなちょこ古代史研究会|平日開店ミシマガジン

    「数え方」というのは、言葉の古い部分に入るらしい。 言われてみれば、さもありなん。 むかしむかしの人間にとって、「いくつあるか」は、生きていくためにとてつもなく重要な意味をもっていたはずだ。 たとえば、獲物を仕留めたり身を守ったりするために・・・。 その重要な情報を仲間で伝え合うために、言葉は発達したはずだ。 「あっちの山で、シカを3匹見つけた(獲物だ!)」とか、 「さっき、オオカミを5匹見かけた(襲われないように気をつけろ!)」とか、 いのちに関わる大事な情報が、まず真っ先に言葉でやりとりされるようになったのだろう。 もっとも、言葉が昔から文章に仕上がっていたということはないだろうから、 「(遠くを指差しながら)山、シカ、3つ」とか、 「(眉根を寄せて警戒心を示しながら)オオカミ、5つ」みたいに、 意思疎通の主役は表情とボディランゲージで、言葉は名詞と数詞で味付けするぐ