ずいぶん、待った。 究極にシンプルで執筆に没入できるテキストエディタがリリースされると聞いてから。いや、それよりずっと前、もう何十年も昔、初めてマッキントッシュを手に入れて、コンピュータで文章を書くようになってから、ずっと待っていた。 マック専用テキストエディタstoneは、ただ、書く、ためのアプリだ。 アンダーラインも引けなければ、太字にもできない。もちろん画像も貼れない。ただ、文章を書く。それだけのツール。 白い紙面にペンで字を書くように、まっさらな画面にうつくしい明朝体を並べていくと、頭の中に浮遊する思考の断片が、よどみなく言葉にかわっていく。何もない、というのが、どれだけ静かで、どれだけ俺たちの意識をクリアにすることか。 ▲ 画面をクリックすると、上下にささやかに情報が表示される。文字を打ちこみはじめると、それらもすっと消える。何もなくなる。 ▲ 画面下部に触れると、書式設定ができ