我が国ではあまり問題にされていないが、以前から女性から輸血を受けると死亡率が高いという観察が何度も報告されている。さらに詳しく原因を調べた研究では、妊娠経験のある女性から血清を分離しないまま輸血を受けると急性肺障害の危険性が高まるという論文が発表され、妊娠により母体に誘導された抗体やリンパ球が輸血された人に悪さをするのではと考えられてきた。 これが正しければ、我が子のためにお母さんが血液を提供することが最も危険ということになり、影響は大きい。 そこでこの現象を確かめるべく、オランダ・ライデン大学を中心に、赤血球から白血球を分離する操作をおこない免疫機構を関与しにくくしたオランダの輸血システムでも同じ問題があるのかを調べた大規模調査が行われ、結果が10月17日号の米国医師会雑誌に発表された(Caram-Deelder et al, Association of blood transfusi