カリフォルニアのロックバンド、TOTOによる「アフリカ」は1982年のヒットソングだが、私はこれまで、この曲について真剣に考えたことはなかった。「アフリカ」は、当たり前のようにそこにある曲だった。 しかしある日、この曲は唐突に私の目の前に現れ、私の心を奪った。あれは真夜中、アムステルダムの街を走っていたときのことだ。私はタクシーの後部座席に座っていた。それは暑い夏の日で、楽しい仲間たちと楽しいひとときを過ごした私は、極上の赤ワインで酔っていた。すなわち私は、この80年代のヒットソングに魅了されるための準備が充分に整っていたわけだ。この曲の嘘偽りないメランコリーが、人生を彩る完璧なサウンドトラックとなった。 こうして「アフリカ」にハマった私だが、同じようにハマっている仲間がいると直ちに気づいた。この曲はネット上で大人気で、ミーム状態となっていたのだ。4分55秒の壮大なこの曲は、インターネット