トヨタ自動車は11日、イランへの自動車輸出を6月から止めていることを明らかにした。国連に加え米国や欧州連合(EU)が、イランの核開発を阻止するための制裁強化を打ち出すなど国際情勢に配慮。輸出を続ければ事業に影響が出かねないと判断した。 トヨタは、イラン向けに四輪駆動車の「ランドクルーザー」などを輸出している。2008年は約4千台、09年は約250台で、今年は5月までに約220台を輸出した。トヨタによると、今後の輸出の再開は未定という。 核開発疑惑を抱えるイランをめぐっては、6月に国連安全保障理事会で追加制裁決議が採択されたほか、米国やEUが独自の制裁措置を取ることを決定した。米国の制裁法は、イランに石油製品を輸出した米国外の企業が制裁対象だが、トヨタはイランへの輸出を続ければ、イメージ低下などで米国での事業に影響が出かねないと判断。自主的な輸出停止に踏み切った。