小中学校「20ミリシーベルト」長崎でも波紋広がる 福島第1原発事故で、文部科学省が決めた小中学校などの屋外活動を制限する放射線量基準「年間20ミリシーベルト」の是非をめぐる議論が、被爆地長崎でも波紋が広がっている。被ばく医療の専門家の見解は一様でなく、被爆者からは「基準決定に至る経過が不透明」と政府の対応に疑問を抱く声が出ている。 政府が定めた基準は、国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告に準拠。勧告では、緊急時の一般人の許容限度を年間20〜100ミリシーベルト、事故が収束に向かうレベルでは同1〜20ミリシーベルトを目安に対応するよう求めている。だが、子どもにそのまま当てはめると比較的高い放射線量の被ばくを認めることになるとして、専門家の批判が相次ぎ、内閣官房参与の小佐古敏荘東大大学院教授が辞任する一因にもなった。 事故以降、被ばく医療や放射線の情報提供のため度々福島入りしている長崎