22日に公示された参院選では、昨年成立した安全保障関連法(安保法)の存廃がひとつのテーマになっている。奇しくも同日、北朝鮮は中距離弾道ミサイル・ムスダンの発射実験を行い、技術的な進展を国際社会に見せつけた。核弾頭が搭載されて多数が実戦配備されるようなことになれば、日本の安保は大きな脅威にさらされる。 日本から「先制攻撃」もここで、安保法が北朝鮮との戦争を抑止する上で有効かどうかを考えておくことは無意味ではないだろう。 残念なことに、国会における安保法案の審議の過程では、これがどのように北朝鮮情勢に作用し、どのような理屈で北朝鮮の脅威を抑え込むことになるのかといったような、具体的な議論はほとんど交わされなかった。 それなのに、ただ漠然と「集団的自衛権の行使を可能にして米軍との関係を深めれば、北朝鮮も迂闊に手出しできないだろう」と構えるのは、日本にとってむしろ危険かも知れない。 北朝鮮情勢と日