2015年6月9日の朝日新聞、湯浅誠氏の「わたしの紙面批評」を読んでたまげた。住民投票で大阪維新の会提案の大阪都構想が否決されたことを受けて書かれた5月19日社説「橋下氏引退へ 議論なき独走の果て」及び天声人語「橋下氏の民主主義とは」に対して、およそ紙面批評と言うには程遠い愚論が堂々と掲載されていたからである。紙面審議会委員という大げさな肩書きなのだから、それなりにふさわしい見識が披露されるものとばかり思っていたら、そこに展開されていた紙面批評は愚にもつかない俗論そのものだった。朝日新聞関係者は(彼を紙面委員に登用したことを含めて)さぞかし恥ずかしい思いをしたに違いない。 湯浅氏の言いたいことはいったいなにか。要するに都構想住民投票の結果は“僅差”で決まったのだから、橋下氏を一方的に批判するのではなく、橋下氏と彼を支持する人々の主張をもっと尊重した紙面をつくるべきだということだ。そしてその