外資系金融会社に勤めていた夫の三橋祐輔さん=当時(30)=を殺害した上にバラバラにして遺棄したとして、殺人罪などに問われ東京高裁で改めて懲役15年が言い渡された歌織被告(35)。心神喪失による無罪主張は退けられたが、祐輔さんの遺族の怒りは収まらない。1、2審を通じ事件の発端は祐輔さんによるDV(配偶者暴力、ドメスティックバイオレンス)と認定されたが、遺族は「(公判での指摘は)優しい息子の姿とは違う。加害者の被告が被害者を装っている。真相がゆがめられてきた」と訴えている。(大泉晋之助)実刑も表情は硬く… 歌織被告の控訴審判決公判が開かれた22日の東京高裁102号法廷。98席ある傍聴席には、マスコミ各社の記者や一般傍聴者が詰めかけた。そんな中に毎回、北九州から訪れている祐輔さんの遺族の姿があった。 「主文、本件控訴を棄却する」 出田孝一裁判長が歌織被告の無罪主張を退け、1審東京地裁に続いて再び