5月の大阪市議補選(福島区)で、大阪府の橋下徹知事が代表を務める地域政党「大阪維新の会」が擁立した新人候補が自民や民主の候補を破り初当選し、本紙大阪版の1面に「『橋下新党』初陣飾る」という見出しが躍った。 いくら大阪市が大都市とはいえ、市会議員の補欠選挙でこのような大きな扱いをするのはおかしいという読者の指摘があった。現場の記者からも「直接市政に関係のない地域の読者にとって、どれほどの価値ある記事だったか」との率直な声が聞かれた。 橋下知事が掲げる府と大阪市を再編する「大阪都構想」の是非が争点になったが、大阪都の具体的な将来像が見えず、議論は深まらなかった。 府政3年目に入っている橋下知事だが、府民からの圧倒的支持は変わらない。ワンフレーズで白か黒か、敵か味方かに分けて戦うやり方を得意とする。大阪都構想では「大砲も鉄砲も使えないので、選挙で変えるしかない。市役所をぶちこわす」と大阪市の平松