朝日新聞叩きに際し、安倍首相をはじめとする政治権力が「慰安婦問題の誤報によって多くの人が苦しみ、国際社会で日本の名誉が傷つけられたことは事実」とし、「“安倍政権打倒が朝日新聞の社是だ”と名指しで批判」などと朝日新聞を名指しで批判したり、その報道に注文をつけている。一方、こうしたメディアへの政治権力の介入の事態については、一部ジャーナリストを除いて、多くの新聞社やテレビ局からは、問題点の指摘や、真っ正面からの言及などが、ほとんど見られないように思う。私が知らないだけならいいのだが、研究者からの問題提起も少ないように思えてならない。 朝日新聞をめぐる状況を見ていると、悲しいかな、1918(大正7)年米騒動時に「大阪朝日新聞」に対して起きた白虹事件を思いおこさざるを得ない。白虹事件は、朝日新聞が政治権力に屈服してしまい、それ以来、朝日新聞をはじめとする新聞が「その存立をかけて権力と闘うことの困難
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