虚偽証言を依頼して現金供与を持ち掛けたなどとして、秋元司容疑者らの逮捕容疑に適用された「証人等買収」は、テロ等準備罪とともに平成29年に施行された改正組織犯罪処罰法に新たに盛り込まれた。秋元容疑者らが初めての立件とみられる。ある法務省幹部は「日本は司法妨害に対して無頓着すぎたので、いいきっかけになった」と今回の事件の意義を強調する。 平成12年に日本が署名した「国際組織犯罪防止条約」の締結に必要な法整備の一環で、証人等買収という犯罪類型が設けられた。同条約では、締結国同士の捜査当局が、外交ルートを介さず情報交換するなど「捜査共助」がしやすくなるといったメリットがある。締結国には証言や証拠提出に関して、暴行や脅迫、不当な利益供与などの司法制度に対する妨害行為を取り締まる措置を設けることが求められる。 当時、日本では証人威迫罪や偽証を唆(そそのか)す偽証教唆罪などの犯罪類型はあったが、現金など