私は自民党総裁選挙で「反中」を競い合う候補者たちの醜い姿にうんざりしますが、それにも増して暗然とするのは、①マス・メディアが、「反中」を競い合うこの見にくいまでの狂騒劇を何の批判もなく「垂れ流し」していること、また、②総選挙を前にして国民に政策を争点にして自民党を批判するべき野党のどこからもこの自民党の狂騒劇とマス・メディアの「垂れ流し報道」に対する批判が皆無であること、したがって、③すでに早くから「反中」「嫌中」に染まりきっている大多数の国民が「狂騒劇」と「垂れ流し報道」に何の違和感も覚えずに身を任せていることです。日中関係を真剣に考える人が日本の政治を担ってくれる日が一日も早く現れることを願ってやみません。 私はこれまでのお話しを通じて、次のことを明らかにすることに努めてきました。 第1回:中国は戦後の早い時代から、日本軍国主義に対する怒りが渦巻いている中国人民に対する辛抱強い説得工作