ネレ・ノイハウスやフォルカー・クッチャーは、近年、進境著しい「新世代」ドイツミステリの旗手であり、ドイツの書店の店頭でも、ミステリ系としては北欧ものと並んでもっとも目立つ場所に置かれていることが多いです。 といっても、実は、彼らがドイツ国内で最も売れているドイツ人(&ドイツ語圏人)ミステリ作家というわけではない。そうなんです。実売ナンバーワンのドイツミステリ作家は、シャルロッテ・リンクです。(2011年時点の数字による) シャルロッテ・リンクとは何者か? いかなる特徴を持つ作家なのか? 日本でも彼女の長編小説『姉妹の家』が訳出されており、この作品には彼女の作風のアレコレが凝縮されているので、解析のベースとしたいと思います。 これはいささか主観的な言い方ですが、シャルロッテ・リンクはドイツの旧世代ミステリ作家に属します。旧世代の特徴にもいろいろありますけど、この作品で顕著なのは 1. メロド
女流新人賞(1973年) 作品賞(1980年) 女流文学賞(1992年) 平林たい子文学賞(1995年) 川端康成文学賞(2008年) 芸術選奨文部科学大臣賞(2010年) 谷崎潤一郎賞(2011年) 中日文化賞(2011年) 親鸞賞(2012年) 紫綬褒章(2014年) 稲葉 真弓(いなば まゆみ、1950年3月8日 - 2014年8月30日)は、日本の小説家、詩人。本名は稲葉 眞弓(読みは同一。旧姓は平野)。 来歴・人物[編集] 愛知県海部郡佐屋町(現:愛西市)生まれ。愛知県立津島高等学校卒業。 西脇順三郎の作品に衝撃を受けたことがきっかけで、高校在学時より詩作を始める。 1966年、高校2年生の時に文藝春秋が全国の高校生から募集した「アンネ・フランクに贈る詞」に応募して2位を獲得したことで、本格的に文学の道へ入ることを志すきっかけとなる。 東京デザイナー学院名古屋校在学中に詩集『白い
禅智内供(ぜんちないぐ)の鼻と云えば、池(いけ)の尾(お)で知らない者はない。長さは五六寸あって上唇(うわくちびる)の上から顋(あご)の下まで下っている。形は元も先も同じように太い。云わば細長い腸詰(ちょうづ)めのような物が、ぶらりと顔のまん中からぶら下っているのである。 五十歳を越えた内供は、沙弥(しゃみ)の昔から、内道場供奉(ないどうじょうぐぶ)の職に陞(のぼ)った今日(こんにち)まで、内心では始終この鼻を苦に病んで来た。勿論(もちろん)表面では、今でもさほど気にならないような顔をしてすましている。これは専念に当来(とうらい)の浄土(じょうど)を渇仰(かつぎょう)すべき僧侶(そうりょ)の身で、鼻の心配をするのが悪いと思ったからばかりではない。それよりむしろ、自分で鼻を気にしていると云う事を、人に知られるのが嫌だったからである。内供は日常の談話の中に、鼻と云う語が出て来るのを何よりも惧(
米国で話題を集めている小説がある。タイトルは『pachinko』、そう、日本でお馴染みのあのパチンコである。 著者は米国在住の韓国系アメリカ人、イ・ミンジン氏。第二次世界大戦の前から1980年代にかけての日本を舞台に四世代の韓国系の家族を描いている。なぜか日本では取り上げられないこの小説の著者イ氏に米国「ニューヨーク・タイムズ」紙が日本の新大久保でインタビューした。 日本のなかでも雑多な雰囲気で、多言語の飛び交う街として知られる東京・新大久保。 韓国系の人々が多く住むこの街には、近年さまざまな国から移住者がやってくる。韓国系の肉料理店だけでなく、ハラール・フード(イスラム法で許された食材)を扱う料理店など、アジア諸外国の店舗が軒を連ねる新大久保は、民族・文化的に均質とされる日本では異質の街なみを形成している。 そんな新大久保は、小説家Min Jin Lee(イ・ミンジン)氏と会うのにぴった
鬼頭えん🏴 @kitoen2173 漫画描いてる中世イングランドスキー。本命ウェールズ🏴。同人サークル床子屋の中の人。 成人向けアカウント作りました→@kitoen2GO BOOTH…kitoen.booth.pm がるまに…x.gd/2eB8H まとめ…lit.link/kitoen kitoen.fanbox.cc ◆まとめの構成◆ 中世ウェールズ古典・マビノギオンを漫画にしてみた… 【1】猪年なのでイノシシ退治が出てくる《キルッフとオルウェン》を漫画にしてみた。 公式様から反応が!そしてマビノギ談義へ…。 【2】マソヌウイの息子マース【前編】 色々な意味で未来に生きてた中世ウェールズ人のセンスと本気を見てくれ。 【3】マソヌウイの息子マース【後編】 スェウの死亡条件は当時の詩人が酒飲みながら考えたとしか思えない。 そんなマビノギオン
オウム真理教事件を描いたノンフィクション小説「A3」(集英社インターナショナル刊)を、作者の森達也さんがnoteで無料公開した。書籍版は「現在も版を重ねている」(森さんのnoteより)状態で、異例の無料公開だが「一人でも多くの人に読んでほしい」との思いから、森さん自身が版元に相談して無料公開を実現したという。 A3は、オウム真理教事件を探り、日本社会の深層に迫るノンフィクション作品。森さんが監督として撮影した、オウム真理教の内部に迫った映画「A」「A2」に続く作品として、「月刊PLAYBOY」の連載を書籍化したもので、2010年に発行され、11年に講談社ノンフィクション賞を受賞。12年に集英社から単行本化された。 刊行から10年近く経つが、森さんは「特にオウムについては、昨年の13人死刑執行も含めて、世に問いたいこと、言いたいこと、伝えたいことが、ずっと自身の内側で飽和している」状態で、そ
3年ほど前、93歳で亡くなった漫画家の水木しげるさん。「ゲゲゲの鬼太郎」の第6期のアニメが始まるなど今も多くの人たちを魅了し続けていますが、戦争の漫画を数多く残したことでも知られています。今回、水木さんが、自身の戦争体験について、まだ漫画家になる前の昭和20年代に書いた直筆のメモが見つかりました。そこに込められた水木さんの思いとは。ゆかりの人たちを訪ねて取材しました。(社会部記者 山口健) メモは水木さんの仕事場だった書斎の本棚の奥から見つかりました。赤茶色に変色した古びたノートに、万年筆でつづった文字がびっしりと書き込まれています。ノートの表紙には昭和25年1月とあり、水木さんがまだ漫画家になる前、27歳の時に書いたことがうかがえます。
『ドン・キホーテ』(スペイン語: Don Quijote、Don Quixote[1])は、スペインの作家ミゲル・デ・セルバンテスの小説。 騎士道物語の読み過ぎで現実と物語の区別がつかなくなった郷士(アロンソ・キハーノ)が、自らを遍歴の騎士と任じ、「ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ」[2]と名乗って冒険の旅に出かける物語である。1605年に出版された前編と、1615年に出版された後編がある。 概要[編集] 前編の原題は、"El ingenioso hidalgo Don Quixote de la Mancha"[3]。セルバンテスは前編の序文の中で、牢獄の中でこの小説の最初の構想を得たことをほのめかしている。彼は生涯において何度も投獄されているが、おそらくここで語られているのは税金横領の容疑で入獄した1597年のセビーリャ監獄のことであろう(ただし、「捕虜の話」など話の本筋ではない挿話の
よくきたな。おれは逆噴射聡一郎だ。おれは毎日すごい量のテキストを書いているが、誰にも読ませるつもりはない。しかし今回おれはFalloutの最新作もやらずに小説大賞の審査をしている中でパルプ小説講座のアイデアを思いつき、いてもたってもいられなくなったので、この記事を書いて公開することにした。 逆噴射聡一郎先生プロフィール:社会派コラムニスト。昔からダイハードテイルズ・マガジンに時々寄稿してくださいます。当マガジン上にて「パルプ小説の書き方講座」を連載していただいています。 ここまで読んできたおまえは、すでにおれのパルプ小説講座を一年近く読み、GUN -銃- のうちかたをPracticeしてきたはずだ。だから今回おれは、前置きにまわりくどいたとえ話などをする気はない。もう既にわかりきっているジャステンビーバーやレディGAGAの話すらもしない。おれは追っ手に追われていて、夜の街にしけこみながらこ
2016年に東大生5人が起こした強制わいせつ事件をモチーフにした小説『彼女は頭が悪いから』(姫野カオルコ/文藝春秋)は、実に473ページにも及ぶ長編作品だ。 一人の女子大学生に大量の酒を飲ませ、マンションの一室に連れ込んで暴行を加えたこの事件は、2003年に集団強姦事件を起こした早稲田大学のサークル「スーパーフリー」を想起させるものでもあったし、また同時期に慶應大学や千葉大医学部の学生が相次いで同様の事件を起こしたこともあって、当時大きな話題となった。 どれも「酒を飲ませて暴行を加える」という点では共通している。しかし、他の事件がセックスを目的としていたのに対し、東大生の起こした一件で性行為そのものは行われていない。彼らがしたこと、それは「女子大学生を集団でいたぶり、おもちゃのように扱って盛り上がる」という行為だった。
(2018.08.12追記)この問題のあと、Twitterで以下のタグが出現して、盛り上がっています。Twitterらしいスマートな応援の仕方で、いいですね。私もちょっとだけ推挙しておきました。 twitter.com 以下オリジナル本文です。 ■勉誠出版がネトウヨ化しているというツイートを見て、へ?と見に行ったら、ほんとにすごいことになっていた。 e-bookguide.jp なんかゴタついたり、知り合いの編集者が出ていったりしていたが、こっち系の悶着もあったのだろうか… ■個人的にも、けっこう心のダメージ大きい。 こうなっちゃったことについてもショックだが、こうならざるをえなかった出版の現況を、突きつけられる。 藁をもすがる。愛国阿片をもすがる、出版の今。 しかも良心的な本を出してきた学術出版社が、だ。 ■業界の人間の一人として、単純に勉誠出版を責めて終わりにはできないと感じている。も
2018年6月2日に東京・下北沢の書店「本屋B&B」で「[京極夏彦×装丁夜話]京極夏彦の版面」というイベントが開催された。このイベントを企画したのは、装丁家の折原カズヒロさんと坂野公一さん。今回は、坂野さんがこれまでに何冊もの装丁を手掛けた作家京極夏彦さんを呼んで、版面(はんめん、はんづら)づくりの詳細を語ってもらった。 今回はその後編である。 前編はこちら http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/53511 ルビを振る基準のマニュアルを作成 版面をパッと見たときに、ルビの存在はかなり大きなウェイトを占めていることがわかります。傍点よりも存在感があるわけで。難読漢字には比較的画数の多い漢字が多いです。画数の多い漢字の横にルビがあるかないかは、大きな問題になります。 さらに、ルビには位置の問題があります。肩付き、中付き、3字ルビ(1文字の漢字に3文字のルビが
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