8車種、約60台――これが現在、日本国内を走る燃料電池車の数だ。多くは、「水素・燃料電池実証プロジェクト」など研究事業の一環として官公庁や自動車関連企業が保有しているもので、一般のドライバーとは、まだまだ縁が薄い。 しかし、将来的にガソリンの代替として期待される燃料電池車だけに、その性能や開発状況は気になるところだ。日常的に利用するクルマとして捉えたとき、燃料電池車はどれほどの性能を発揮できるのだろうか。東京ビッグサイトで開催中の「FC EXPO 2007」で本田技研工業に話を聞いた。 ホンダの燃料電池車「FCX」(ホンダ・ZC2)は、水素だけを燃料にする水素燃料電池を採用している。その原理は、中学時代に習った「水の電気分解」の逆。燃料の水素と外気から取り込んだ酸素をスタックと呼ばれる装置で結合させ、電気を起こしてモーターを駆動する仕組みだ。排出するのは水だけ。FCXの場合、エネルギーの利