ここまで35年、「石にかじりついても」の心境だったと言っても信じてはもらえないだろうか。在阪放送局で記者になり、「女はすぐ辞める」と陰口を叩かれつつも、「定年まで辞めないぞ」と走ってきた。 男女雇用機会均等法1期生なのだから仕事も子育ても、そして決して後進の道を閉ざさないようにと肩ひじを張ったころの自分が懐かしい。 昼夜を問わず24時間スタンバイが1990年代当時の報道記者の常識だった。夜討ち朝駆け取材もするし、相手の懐に飛び込んで杯を交わし、情報を得るのも流儀のひとつ。下戸の私は言われたものだ。 「アホでも大酒が飲める男性記者のほうが女性記者よりネタがとれる」 これは新聞社の大阪府警担当キャップの発言だが、当時の本音であっただろう。 ジェンダーの視点に立てば、なんと理不尽なマッチョイズムの業界かと感じることも多くあったが、私にとって取材を重ねた末に出逢えたドキュメンタリーの制作は、職人気
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