新しい資本主義実現会議で発言する岸田文雄首相(左から2人目)=首相官邸で2024年6月7日午後6時18分、平田明浩撮影 政府が映画やアニメなどコンテンツ産業の活性化に本腰を入れる。クリエーターらの労働環境改善や海外展開支援が急務だとして、政府はクリエーターと「コンテンツ官民協議会」を設置する。政府と制作現場が連携して改革に乗り出すのは異例だが、その背景には、ある大物映画監督の悲痛な「訴え」があった。 「かなりブラック」 大物監督の訴え 4月17日夕に首相官邸で開かれた「新しい資本主義実現会議」。岸田文雄首相や十倉雅和経団連会長、芳野友子連合会長ら各界のトップが並ぶ中、ある「参考人」が呼ばれていた。 「僕らの次の世代、その次の世代に、少しでも良い映画を作る環境を用意してあげられるか考えているため、今日ここにやってきた」と切り出した参考人。映画産業が盛んなフランスの労働時間は1日8時間で週休2