東京特派員だった頃の2009年、エコノミストの記者が持ち回りで担当する、長文の特集記事を執筆する機会があった。そこで、現在発生していることで、各国の首相や企業経営者が話題にし、今後の社会発展につながるテーマは何だろうと考えた。 漠然とだが、世界中に情報があふれていることに気づいた。私たちは際限なく情報を発信し、集積している。これはいけるかな、と思った。 後に「BIG DATA」の共著者となるショーンベルガー教授の知恵を借りながら、2010年に「データの洪水」と題する原稿を書いた。一般向けのビッグデータ関連記事としては、先陣を切ったものといわれている。 ――「BIG DATA」では、米国で2009年に発生した新型インフルエンザ危機で、検索大手グーグルが果たした役割を紹介している。グーグルは「せきの薬」や「解熱剤」など5000万件の検索語を、膨大な数理モデル(=アルゴリズム)を使って分析し

