韓国は今月24日に更新期限を迎える日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を日本の輸出管理厳格化への対抗措置として示唆する。破棄された場合の日本への影響は? 防衛省情報本部情報官を務めるなどし、各国軍との情報共有に精通する元海将、伊藤俊幸・金沢工業大学虎ノ門大学院教授に聞いた。 ◇ 2016年に締結されたGSOMIAは12年に日韓関係の悪化で一度、署名が延期された。今の韓国の動きは当時と同様、あくまでも政治・外交的に利用しているだけだ。しかしGSOMIAのメリットは韓国側により多く、対日カードにするのはばかげている。 文在寅(ムン・ジェイン)政権の姿勢で今、一番困っているのは韓国軍幹部だろう。北朝鮮が繰り返しミサイルを発射する中、軌道や着弾の情報は自衛隊のレーダーによるところが大きいからだ。北朝鮮が実験する短距離弾道ミサイルは複雑な軌道で飛ぶ露製「イスカンデル」をモデルにした新型と