東京電力福島第一原発事故で東京都内に自主避難した母親らと一緒に暮らすため、福島県郡山市の中学三年男子生徒(15)が都立高校の受験を希望したのに、父親が郡山市内に残るのを理由に都教育委員会が断った問題で、都教委は方針転換し認めることを決めた。東日本大震災に関する特別措置とし、七日、被災した青森県から千葉県までの各県教委に通知する。 (柏崎智子) 男子生徒は、郡山で友達と一緒に中学の卒業式を迎え、都内の高校に進学するのが希望だった。だが、都教委から「両親そろっての一家転住予定でなければ全日制高校を受験できない」と言われた。 父親が仕事で郡山に残ったまま受験するには、都内の中学へ転校せざるを得ないため、男子生徒は福島の塾をやめ、冬期講習は都内の塾に通った。このため、母親は都教委の決定について「ありがたいが対応が遅すぎる」と話している。