関口さんにイライラさせられる作品ではあったし、序盤はだるかったけど、終盤の呪いの具合は「魍魎の匣」以上にえげつない……。物語の美しさでは魍魎の匣かもしれないけど、印象に残るのはこっちかなぁ。 ・この世には不思議なことなどなにもないのだよ関口くん。 ・創作としての怪談話は好きだが、何でもかんでも霊魂のせいにするのが嫌いだと言ってるんだ。 ・幽霊は居るよ。見えるし触れるし声も聞こえる。でも存在はしない。 ・民俗社会のもつ幻想を僕らは今や理解できないが、理解できないものを曲解して訳知り顔をしては行けないんだ。 ・真相なんてだいそれたものじゃあない。僕は気がついただけだ。この事件はまさに群盲象を撫でるような事件だ。一人ひとりに話を聞いて全体像をつかもうとするから時間がかかる。だが、ああそれは象だと気がつけば終わりだ。 ・呪いはあるぜ。しかも効く。少なくとも共通の言葉や文化を持つ集団の中では確実に有
![『姑獲鳥の夏』事件のまとめと感想 人間的母性と生物的母性のズレから生じるおぞましい矛盾がもたらした悲劇 - 頭の上にミカンをのせる](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/de1b4c00fb8d52e75acc3c92defa14b209f8462e/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fimages-fe.ssl-images-amazon.com%2Fimages%2FI%2F51haAFC7k5L._SL160_.jpg)