沖縄県を訪問中のチベット仏教最高指導者、ダライ・ラマ14世が5日、那覇市で講演し、沖縄の米軍基地について「民主国家で大きな力を持つ米国の基地がまだ必要とされている気がするが、終局的には必ず撤廃される時が来ないといけない」と語った。 ダライ・ラマは基地が必要な理由として、アジアには北朝鮮の核問題や中国の閉鎖的な政治体制があると指摘し「これから先どんな状況になるかが見えない」と強調。一方で「非暴力的な手段を取るのが問題解決の最高の方法で、暴力的手段で問題解決するのは時代遅れだ」とも述べた。 講演でダライ・ラマは10代で最高指導者となり、24歳のときに中国のチベット支配によりインドへ亡命した経緯を紹介。「悲しい人生とも言えるが、さまざまな背景を持つ人に会い、違った体験を学ぶことで自分の体験を膨らませることができた」と振り返った。