今年も気がつけばもう師走。ムードある電飾のイルミネーションや精緻なCGアニメーションも良いが、素朴な手作りおもちゃも温もりがあって飽きが来ないものだ。Eテレの番組でもおなじみのピタゴラ装置は昔から私の大のお気に入りで、ボールが転がり始めるとついつい見入ってしまう。 本日はちょっと気分を変えて右脳系ブックレビュー。目に楽しく斜め読みでもくつろげる、こちらの本をご紹介したい。 著者の戸田盛和は著名な物理学者。紹介によれば趣味は読書、スケッチ、おもちゃの研究。一級の博識と3つの趣味が交わるところに科学エッセイが紡がれ、独特の世界が広がる。大好きなおもちゃについて、自筆のイラストと科学者らしい考察も交えつつ、智に遊び筆の向くまま語っている。ちなみに、全3巻の表紙イラストも著者の手によるものだ。 —————— コマの不思議 我々にはお馴染みのコマだが、なぜコマは倒れないかという素朴な疑問がある。戸田