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ブックマーク / wallstny.exblog.jp (13)

  • アメリカのテレビ業界 | ウォールストリート日記

    今日はクリスマス前の金曜日と言うこともあり、さすがの投資銀行のオフィスもシーンとしていました。アメリカではクリスマスは日のお正月のような趣があり、クリスマスショッピングの波も今日くらいまでで落ち着いて、クリスマス当日は家族と家で過ごす人が多いようです。逆に大晦日~正月は日のクリスマス程度の位置づけで、1月2日から全てが通常通り動き出します。 この時期には多くのアメリカ人がバケーションに行っていなければ家で過ごすため、テレビの視聴率も上がるわけですが、アメリカテレビ業界は最近大きく変革しています。私は仕事でメディア業界をカバーしているので、ちらっとそのネタについて書いてみたいと思います。 テレビの番組は、「番組制作会社」、「番組ネットワーク(チャンネル)」、「放送事業者(テレビ局)」の順番で放送配信されます。ところが日アメリカテレビ業界は、業界の様相が大きくことなります。 日

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  • PE・HFへのキャリア | ウォールストリート日記

    前回のブログで、将来的にヘッジファンドやPEに就職したい場合、バンカーになるのが良いのかトレーダーになるのが良いのかと言う質問を頂きました。 一言で言うと、これはどんな仕事をしたいかによって異なると思います。以下は私の個人的経験や知人から聞いた話に基づいており、内容がアメリカでの事情に偏りがちですが、何らかの参考になればと思います。(思い込みで書いているのは今回に限ったことではないので、間違いがあったら鋭く指摘して頂ければ幸いです。) まずPEに関しては、バンカーか弁護士になるのが良いと思います。専門分野としては、Leveraged FinanceかM&Aが望ましいです。と言うのは、プライベートエクイティの人たちはいわゆる「専門家集団」であり、資金調達やM&Aの法務や会計など細かな知識が非常に重要となるからです。 もちろん案件発掘(ソーシング)には業界知識が重要ですが、それは投資銀行のカバ

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  • ヘッジファンドの運用スタイル | ウォールストリート日記

    先日のブログの中で、ヘッジファンドを世の中に広く知らしめたのが「グローバルマクロ」と言う投資手法であったということを書きました。この手法は、マクロ経済の中で為替や金利などに何かおかしな状況が発生している際に、それを修正するような「攻撃」をしかける、ディレクショナル(一方向)のリスクを取る投資手法です。 この手法は、George Sorosが1992年に欧州の通貨統合を控えて管理相場下に置かれていたイギリスポンドに対して多額の売り浴びせを行い、それに対抗して為替介入を行ったイングランド銀行(写真)を屈服させて変動相場制に追いやった事件や、1997年にドルとの連動為替制度を採用することで実力以上に過大評価されていたアジア通貨を売り浴びせ、アジア通貨の暴落を伴う通貨危機を招いた例などで知られています。 ただ実際には既に衰退したこのスタイルはヘッジファンドの投資スタイルの一つでしかなく、現在ヘッジ

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  • KKRへの投資機会 | ウォールストリート日記

    最近レバレッジドバイアウト老舗のKKRが、同社の名前を冠した投資ビークルをアムステルダムのユーロネクスト証券取引所に上場する、と言うことが話題になっています。 そのビークルの名前はKKR Private Equity Investors LPと言うそうですが、5月1日のFTやWSJによると、需要総額は$5bn(約5,600億円)に上るそうで、KKRが当初予定していた$1.5bn(約1,700億円)の3倍以上の人気を集めたと言うから驚きです。 PEファンドが投資ビークルを上場させると言うアイデアは、大手LBOファンドApollo Managementが、二年前にBDC(Business Development Company)と呼ばれる投資会社を米国で上場した際に始めて脚光を浴びたと記憶しています。 ApolloもKKRと並ぶ最大手15社程度の一角で、ニューヨークでKKRと同じビルの、しかも

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  • 地上波テレビが有料になる日 | ウォールストリート日記

    先日から欧米の主要メディアなどで、「米地域電話会社大手のベライゾンが自社のネットワーク(固定電話線)でテレビ放送サービスをする際に、通常無料であるはずの地上波ネットワークCBSに加入者辺りのフィーを払う」と言うニュースが取り上げられています。 アメリカではケーブルテレビによるテレビ視聴が広く浸透しており、コムキャスト、タイムワーナーケーブル、コックスと言った大手ケーブル放送会社(MSOと言います)が、「トリプルプレイ」と言ってビデオ(テレビ番組)、高速インターネット、電話、をバンドリングしたサービスを提供する傾向にあります。これは通信サービスがコモディティ化し、ただでさえマージンの圧迫されている電話会社にとっては、大変辛いところです。よってこの動きに対抗するためにAT&Tなどの電話会社も自社のネットワークでビデオ(テレビ放送)サービスを行うと宣言しており、ベライゾンの今回の動きもその一貫で

  • 持ち家の「Affordability」 | ウォールストリート日記

    久しぶりに不動産ネタを一つ。 最近のU.S. Census Bureau(国勢調査局)の調査によると、最近アメリカでは、持ち家保有率が下落傾向にあるそうです。先日のウォールストリートジャーナルでも取り上げられていましたが、アメリカの持ち家率は現在約69%の水準にあります。この数字は10年前には64%程度だったそうなのですが、高度成長期の日と同様にアメリカでも「持ち家=夢」であるため、持ち家率の上昇は、豊かさの指標としても頻繁に取り上げられて来ました。 その持ち家率が、過去2年くらい停滞しています。四半期毎のデータを見ても、2005年の第4四半期には、一年前よりも0.2%下落したそうです。 下落率が小さく統計上のエラーと言う可能性もありますが、2年間停滞していると言う事実はそれなりの意味を持っていると思います。 なぜ持ち家率が停滞しているかと言うと、色々な議論があるようです。中でも最大の理

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  • 債券投資のLBO「リスク」 | ウォールストリート日記

    最近とある債券投資家向けのリサーチレポートで、ボンドやローンの投資家を対象とした、LBOやDividend Recapのリスクについてのレポートを見かけました。 通常社債やローンの投資家は、金利自体の動きに加えて、デフォルトリスク、流動性リスク、クレジットスプレッド(企業の信用度を測る数値)の変動リスク、などのリスクに晒されています。それに加えて最近では、LBOやRecapによって突如巨額のデットが上積みされることで、投資家は既存のデットのクレジットクオリティが下がる(端的に言うと格下げされる)リスクを覚悟しなければなりません。 確かにLBOのターゲットとなった企業の負債は、格付けが投資適格水準から非投資適格(ジャンク、ハイイールド)水準まで下がってしまうのが通常です。またこのリスクを嫌気して、LBOやRecapの噂が流れるだけでもクレジットスプレッドのボラティリティが上昇し、投資家は大き

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  • HFの苦悩とLBOファンド | ウォールストリート日記

    最近書いている話と関連して、アメリカでは、プライベートエクイティ投資とヘッジファンドの垣根がどんどん低くなっている、と言う話をよく聞きます。その原因には色々あるのでしょうが、理由の一つには、ヘッジファンドが流入する多額の資金の投資先に困っているのに大して、LBOファンドは引続き投資規模を拡大させている、と言う事実があると思われます。 ヘッジファンドを世の中に広く知らしめたのは、クウォンタムファンドやLTCMのような「グローバルマクロ」と呼ばれる世界中の債券(金利)や為替に投資するファンドだと思います。その時代と比較すると、以前のブログで書いたように、最近のヘッジファンドのアセットクラスの中心は「ロングショート」と呼ばれる株式投資のファンドになっているようです。 ロングショートとは、要は一般に知られていないような割高株・割安株を徹底的なリサーチを通じて探し出し、ロング(買い持ち)とショート(

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  • IBのスキルの汎用性 | ウォールストリート日記

    先日のブログでも若干触れましたが、IBと言う仕事の魅力の一つに、身につくスキルの「汎用性」があると思います。 IBの仕事は簡単に言うと、クライアントに対して戦略・財務面での色々な提案をする仕事です。そのため高等数学は駆使しないまでも、かなり細かな財務分析の作業や、プレゼンテーションの作成に当たっての様々なリサーチ作業などが必要になってきます。 こういった作業を担当するのはジュニアバンカーなのですが、こういった作業を通じて、産業界の動きやマーケットのトレンドについてどうリサーチをするか、限定的な情報を元に如何に財務分析やバリュエーションをするかなど、いわゆる「分析」的なスキルが養われます。また仕事の性質上、アウトプットには会社の「信用」を損ねないようなレベルのものが要求されるため、このプロセスで厳しい「規律」が叩き込まれるのは、以前に友人がコメントの書き込みをしてくれた通りです。 こうした分

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  • Red October | ウォールストリート日記

    毎年10月は市場が軟調なことが多いのですが、今年も例年同様に10月はベアマーケットでした。今月だけでアメリカを代表する株式指標であるS&P500も2%近く下げ、10年債の値段も大幅に値下がり(長期金利は上昇)しました。その結果、大手のヘッジファンドが大きな損失を出しているようだ、との記事がNY Timesに載っていました。 その記事によると、$8bn(約9200億円)を運用するAtticus Capitalは、今月だけで9%ダウン(通年では40%アップ)、有名なアクティビスト投資家Daniel Loeb氏が運用するThird Pointの最大のファンドも、9%ダウン(通年では11%アップ)など、かなり大きな損失が目立つそうです。他にも大手ファンドで5%~10%の損失を出したところが結構あるそうで、その多くが軟調なエネルギー株や、発表されていたM&Aの撤回によるもののようです。 ヘッジファン

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  • 「ウォールストリート」ライフ | ウォールストリート日記

    ◆社会的地位(一般) 日:低 最近メディアの報道や業務拡張のおかげで改善の兆しがあるものの、会社の規模も1,000人程度と小さく、東京以外に支店も一切無いため、恐らく人口の90%以上には存在すら認識されていない。日ではどうしても「外資系」と言うだけで「よそ者、得体の知れない者」扱いされることが多く、メディアからも「ハゲタカ」の烙印を押されがち。社名も横文字でとっつきにくいが、新聞で「外資系証券」と呼ばれるため、証券会社であろうことは知られている(と思われる)。日ではそもそも証券会社=「株屋」で、銀行と比べるとどうしても社会的地位が低い上、存在意義に対する評価も低い。最近は変わってきているらしいが、以前は外資系+証券のダブルパンチで、ローンを借りることすら困難だった。 米国:中 東部大都市では大量の業界人がいるため、社会的地位が確立しているが、それ以外の地域や金融・財務関係者以外からは

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  • 「ウォールストリート」でのシゴト | ウォールストリート日記

    最近アメリカがリクルーティング(就職活動)シーズンであることもあり、NYと東京の投資銀行でのキャリアや生活の違いについて色々聞かれます。10月5日のブログに日米のディールフローの違いについて書きましたが、現場についてもっと知りたいと言う話が多いので、実態についてもう少しカジュアルに書いてみたいと思います。 業界関係者の皆様、勝手な意見をご容赦下さい。 ◆「就職先」としての評価 日:中 「ドライ」、「すぐクビを切られる」、「最悪の場合日撤退」との悪いイメージと、「給料が高い」、「実力主義」、「オシャレ」なイメージとが交錯している。英語が出来ないと生き残れないイメージが強く、日系の金融関係者や学生の間でも人気はまちまち。学生の志望者には帰国子女が多い。最近では内情が知られるようになってきたため、時代が時代なら官僚になっていたであろう東大出身の志望者が激増中。ちなみに、アメリカと比べるとリス

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  • ウォールストリート変革の波 | ウォールストリート日記

    ウォールストリートは実に変化のスピードの速い業界ですが、今日もまた業界構造を変えそうな「変革」が起こりました。ちょっとマニアックな話ですが、業界の特徴が良く分かる話なので取り上げてみます。 日付のFinancial Timesによると、世界最大の資産運用会社で運用資産総額$1.1 Trillion(約127兆円)を誇るFidelityが、株式売買コミッションの支払いを、「純粋な売買手数料」と「リサーチレポートへの対価」とに分割することで、Lehman Brothersと合意したそうです。 投資銀行は、投資家から売買コミッションを受け取る代わりに、リサーチ(株式調査)レポートを投資家サービスの一環として、無料で提供しています。正確には、売買コミッションに調査費が上乗せされていることになりますが、FidelityとLehmanの動きは、こういった業界慣行を打ち破ることになります。 今回の合意

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