東国原宮崎県知事が「若者に倫理を教え込む為に自衛隊に送り込め」と発言した件については、これまで多くのそして様々な観点から、「的確な」批判が為されてきたわけだが、遅ればせながら僕なりの意見を述べてみることにしたい。 以前僕はJ.ジェイコブスの主張する「市場の倫理」と「統治の倫理」を引用したことがある。すなわち、およそ「倫理」と呼ばれうるものには2つの型があり、1つは統治型(=領土に対する責任に関する)道徳であって、もう1つは商業型(=商業とそれに関する財やサービスの生産に関する)道徳であるというものだ。 統治型道徳とは(典型的には例えば自衛隊が備えているべき道徳)「取引を避けよ」/「勇敢であれ」/「規律遵守」/「伝統堅持」/「位階尊重」/「忠実たれ」/「復讐せよ」/「目的のためには欺け」/「余暇を豊かに使え」/「見栄を張れ」/「気前よく施せ」/「排他的であれ」/「剛毅たれ」/「運命甘受」/