2011年7月のアナログ停波を控え、不況下でも薄型テレビ市場は依然として活況を呈している。その中でも現在、特に注目されているのが「録画機能付きテレビ」だ。日立製作所が03年に先べんを付けた“録画テレビ”だが、04年には東芝、08年にはパナソニックとシャープ、09年には三菱電機が製品を投入。今や録画機能付きテレビの市場シェアは15%を超え、20%に達しようとする勢いとなっている。 ではなぜ今、録画テレビが注目されているのか。その魅力はどこにあるのか。デジタルメディア評論家の麻倉怜士氏に聞いた。 日立、東芝が先べんをつけた“録画テレビ” 録画テレビの歴史は1995年前後に松下電器産業(現・パナソニック)が提案した、ICに録画できるテレビから始まったと記憶しています。生で視聴している限り、放送は次々に消えてしまいます。それを一時的に記録する機能をテレビに内蔵して、例えば10秒前に戻れるようにする
――具体的にはどんなセットになっているのですか? 麻倉氏: 例えば、ジャズをジャズらしく聴かせてくれるスピーカーというのがあるんです。私が選んだのは、JBLの4312D。ハッキリとしたコントラスト感と音の立ち上がりの素早さ、そしてやや土臭いが重量感ある押し出しの強さ。この表現力というのは、ジャズにピッタリなのです。このシステムは好評で、人気も高いそうです。 またドイツ・ELACのスピーカーを組み合わせた提案は、室内楽を好むユーザーに向けたヴァイオリンセット。音の滑らかさ/きめ細かさ/中高域の反応の素早さなどといったELACの特徴を備え、自然さや空気感が非常によく出るスピーカーで、モーツァルトのヴァイオリンソナタなどでは演奏者の息づかいまで感じられます。 現在は新宿西口店と有楽町店のみにコーナーがありますが、将来的には全国展開していくようです。 ――メーカーに望むことは? 麻倉氏: 今回、さ
――「和声の魅力」というのもありますよね。 麻倉氏: 和声感覚も身に付けると、音楽を聴くことが楽しくなります。 トニック(主和音)――→サブドミナント(下属和音)――→ドミナント(属和音)――→トニックに代表されるカデンツ(和声進行構造)の知識と転調に関する理解があると、ソナタ形式が面白いように分かりますし、その遠くの延長である現代のポピュラー音楽の成り立ちまで、分かってきます。 音楽とは時間と記憶の芸術ですね。記憶を多く獲得した音こそが、ヒットします。だから、記憶をサポートする「形式」は、戦略的にきわめて重要な作曲の武器なのです。 形式の王様は「ソナタ」です。主題を示す呈示部、発展する展開部、主題に復帰する再現部と時間を追って演奏されていきますが、聴きどころは、展開部です。主題がこのままどうなっちゃうのと心配するほどの驚くほどの変化を見せ、はちゃめちゃになってしまうのですが、実は再現部で
“音楽”とは? ――では“音楽”を重視したオーディオとは? 麻倉氏: 曲自身が、どういうところにポイントがあって、どういう展開があり、どういうメロディを持ち、どんな和声があって、などということが分かってくると、さらに演奏の解釈が深まり、音楽の魅力をディープに感じることができるのです。それが生演奏でなくオーディオの再生音楽であっても、作曲家の魂、ハートは感じられると思っています。 作曲家の意図性をいかに表現できるかがオーディオの魅力の1つです。例えばチャイコフスキー交響曲第6番「悲愴」の第4楽章では、普通ではすべて第1バイオリンのみで弾く旋律を、第1バイオリンと第2バイオリンが交互に旋律を1音ずつ弾いていきます。 現在のオーケストラの配置(米国の指揮者レオポルド・ストコフスキーが考えたもの)では、左が高音で右が低音という楽器の配置なのでバイオリンは第1/第2ともに同じ位置となり、オーディオで
近年、オーディオも機能/スペック偏重の傾向が強まり、アンプもマルチチャンネルのAVアンプ、CDプレーヤーもDVD/SACD/DVDオーディオなど多メディア対応のユニバーサルプレーヤーなど高機能/高付加価値商品が主流になっている。オーディオの評論も機能/スペックにフォーカスしたものが多い。 だが、本当にオーディオはそれでいいのだろうか? デジタルメディア評論家の麻倉怜士氏による月イチ連載『麻倉怜士の「デジタル閻魔帳」』。今回は音楽理論も専門分野の1つで、大学(津田塾大学)で音楽の教べんもとっている麻倉氏に、“音”ではなく“音楽”という観点からみたオーディオのあり方――“オーディオと音楽の本質”について語ってもらった。 ――自身のオーディオ論について聞かせてください。 麻倉氏: エジソンがレコードを作ってから以降、オーディオは“音のカンヅメ=パッケージメディア”をどう再生するかがポイントになっ
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