十府ケ浦食堂の「海鮮ラーメン」。地元産のホタテを使うと、さわやかな磯の香りが際だつという=岩手県野田村仮設店舗で再開した「十府ケ浦食堂」の山口悟さん=2月17日、岩手県野田村調理室で「海鮮ラーメン」を仕上げる山口さん=2月17日、岩手県野田村高台から見た村の中心部。津波で壊れた堤防の手前を、三陸鉄道が走る=2月17日、岩手県野田村食堂を再開する前の山口さん。仮設住宅の前で話を聞いた=2012年2月6日、岩手県野田村 【笹円香】海沿いの土地は、真っ白な雪をかぶり、所々に土台だけを残して家の跡が浮かんでいた。その風景は1年前に訪れた時と変わらなかった。岩手県野田村。まもなく2年を迎えるあの日、巨大津波が村民37人の命と502棟の家屋を奪った。 だが、村役場近くの仮設店舗の建物に近づくと、1年前にはなかった紺ののれんが目に飛び込んできた。波の絵に白抜きで「十府ケ浦 海鮮ラーメン」。山口悟さん