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カルト的人気を誇る赤江瀑の傑作選 | 文春オンライン
一般的知名度は決して高いとは言えないが、カルト的とも言える熱狂的な読者層を持つ小説家がいるものだ... 一般的知名度は決して高いとは言えないが、カルト的とも言える熱狂的な読者層を持つ小説家がいるものだ。2012年に歿した赤江瀑は、その最たる存在だった。絢爛を極めたバロック的な文体で綴られた情念と官能と惨劇の世界を、かつて瀬戸内晴美(寂聴)は「かぐわしいエメラルド色の毒酒の沈んだギヤマンの杯」に準(なぞら)えた。現在、新刊で入手可能な唯一の著書『罪喰い』は、そんな著者の作品から初期の傑作6篇を選りすぐった短篇集である。 特に表題作は、著者の作品でも1、2を争う逸品だ。奈良の新薬師寺で、国宝の十二神将のうちの伐折羅(ばさら)大将によく似た木像を持つ青年と出会った語り手の精神科医は、数年後に青年と再会し、彼とその師にあたる著名な建築家の異常な因縁を見届けることになる。天平と昭和、西洋と日本が「罪喰い」という不気味な風習を介して結びつき、その背景に、迂遠にして精緻な報復劇が浮かび上がる。あまりにも歪



2017/02/13 リンク