『ここが違うよ『天地明察』：参考文献の著者から(０/前口上)』

まえがき： このエッセーの趣旨 その事件は、突然我が身に降ってきた。 冲方丁氏の著書『天地明察』(角川書店、平成21年11月30日初版)に、拙著『近世日本数学史 関孝和の実像を求めて』(東京大学出版会、2005年)が参考文献として挙げられていたことである。 知人から単行本『天地明察』の存在を知らされ、パラパラとめくっていたら、どこかで見たことのある史料が原文で出ていて驚いた。 (今回紹介する本文。後述。) この著者はよく調べているなあ、と思って巻末を見たら、何ということはない。拙著が参考文献に挙げられていたのである。 (Deja Vuになるのは当然だよなあ……) これが『天地明察』との最初の出会いであった。つまり、元の小説が『野生時代』に連載されていた頃(2009年)、不覚にも筆者(佐藤)は、この小説の存在すら知らなかったのである。 ご存じのとおり、冲方氏の本書は、2010年の本屋大賞を受

[ext3]

へー。まあ冲方丁ってのはライトノベルSF作家だからな。

[mistbind3u88]

その後の記事も掘り起こしてみたが、一連の記事そのものはフィクションのエンタメに寄せた部分を取り上げる事で、周辺からの反応を見ることだったようだ。

[fusanosuke_n]

だが塩野七生と有川浩は許さない。

[nankichi]

関孝和

[mori-tahyoue]

一般論で「学術書の見解と相反する内容が歴史小説に提示されていたとすると、多くの読者はそのことを｢史実｣として認知してしまうかもしれない」個別には「自説と全く反対のことを一般読者に向かって披露された」

[powerhouse63w]

まとまったら解説として文庫化時に巻末に付けてもらえるとうれしい

[NOV1975]

コメント「『天地明察』に意見するのは自由ですし、止められません。しかし、プロがアマチュアをノックアウトするような論調は避けて欲しい。」仮にもそれなりのメジャー作家をジャンルが違うとはいえアマ扱いは…

[machida77]

フィクションの中で「事実」と説明されいると信じてしまう人は多いから（極端な例ではダン・ブラウンの小説の嘘）、指摘は必要。

[Cichla]

事実誤認については，「後世の歴史学者に飯の種を作ってやったわい」とほくそ笑むのも一興かと思う。参考文献として明記されていることだし，真面目な学者なら必ず著者の論文を発見・精読してくれるはず。

[MIchimura]

有川浩もこういうものいいをつけられたりしてるのかなあ。/しばらく考えたけどやっぱり攻撃的に過ぎると思う。指摘してくれるなら「ここが史実と違うよ！」より「ここは史実に基づいてる」の方が科学者として可愛い

[KOROPPY]

歴史小説はフィクションで、史実に反するかもしれないという認識は持って読んでいる。そして史実に興味を抱くきっかけになってくれる。

[seuzo]

小説と参考文献で導き出す結論が違う場合。

[n-yuji]

これは難しい問題。ただ、『姑獲鳥の夏』を読んで『憑霊信仰論』に手を出した人もいる。

[saebou]

「虹の解体」

[soylent_green]

龍馬暗殺は薩摩の仕業とかその手の話

[ones-inch]

小説への態度というか距離感が近過ぎるとこの手の問題が生じる事はままあるわね。

[noctifer]

小説家が作品と歴史的事実の関係性について気安く言及するから発生する事態か/それにしてもね、歴史学の意義を「面白い小説」程度にしか捉えてもらえない悲哀、というのは本当に深いのですよ…

[Erlkonig]

『天地明察』がどうだったというより、現実を元にしたあらゆるフィクションに関わる話として。

[VodkaDrive]

確かに、小説と歴史の区別がついてない人は多い。が、それって小説家の責任なのだろうか。・・・ダン・ブラウンと塩野七生は小説家の責任と言っていいような気もする。ああ、新しい歴史教科書も小説だっけか。

[summer-forest]

織田信長が魔人ではない事を知っていても、桶狭間は別に今川義元の首を狙っていたわけではない、長篠の鉄砲３千丁は疑わしい、という話を知っている人がどれほどいるやら・・・（藤本正行氏の説）

[toriatori]

幕末絡みであるならよくある話だと思った／ブログより紙媒体でまとめて読みたい

[kichine]

どっちも読んでいないので何とも言えないけど続きが気になる。他の和算小説はどうなんだろう。鳴海風とか。

[shomotsubugyo]

アカデミズムの徒たる友人は今でも塩野七生の本はひどいという。史学としてはまさしくそう。一方で七生タンの前にかように極東の倭人がローマ史にくるうこともなかったのは事実。稗史と歴史学は違うというしかない

[sfken]

妄想の余地がある部分を拡大するのは、歴史を題材にしたフィクションの常套手段だからなあ。勿論読者のリテラシーの問題もあるけども。

[banraidou]

こういうオープンな感じはいいなぁ。

[halca-kaukana]

｢天地明察｣は小説として面白かった。これをきっかけに、日本の天文学史について調べてみようと思った。ただあくまで小説だから、小説として描くにはどうしても史実ではないことも出てくる。割り切って読むしかない

[youzinnbou25]

歴史学の授業をよく取っていたから氏の主張もよくわかる。『死人に口なし』で締めてるのにワラタ

[LethalDose]

読者数がぜんぜん違うし、読者層も違うだろうから気になるのだろうとはおもう。これを機に執筆してみては。メジャな人物（水戸光圀）のイメージを変えることができるか、というとむずかしいだろうからね。

[y-mat2006]

まあ、小説なんてウソっぱちで、どれだけ上手に騙してくれるかと言うところなんだろうけど。／でもまあ、こう言うクロストークもあってよいだろうな。／あちゃらかな時代劇だったら指摘するだけ無駄だと思うが

[Outfielder]

世の中の大半の人は歴史を「物語」としてしか理解してない。そもそも歴史学とは何かに関わる問題を孕んでおり、「歴史学とフィクションである歴史小説を混同するな」と指摘すれば済むような単純な話ではない。

[dododod]

(特にマイナージャンルの)小説に不正確な記述があった場合どうするかということ/