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「自分は遭難してしまったらしい」雨具も持たずに奥秩父の山中を8日間彷徨った男性の生死を分けた“あるもの”とは | 文春オンライン
◆ ◆ ◆ 倒木にはクマが爪を研いだ跡 その一人が『山岳遭難の教訓』において羽根田が取材したSさん(当時6... ◆ ◆ ◆ 倒木にはクマが爪を研いだ跡 その一人が『山岳遭難の教訓』において羽根田が取材したSさん(当時64歳・書籍では実名)だ。Sさんは2014年のゴールデンウィーク、奥秩父の雲取山に2泊3日で登る途中で遭難した。 初日の5月3日は予定通りの行程をこなして、午後3時ごろには小屋のある三条ノ湯に着いた。翌朝、飛龍山を経由して雲取山に向かうことに決めたSさんは、宿帳にもそう記してから7時ごろ小屋を出発。ちょっとした誤算だったのは、登山道にはまだ残雪があり、時折、道を見失いがちになることだった。それでも昼過ぎには飛龍山の山頂に到着、弁当を食べてから、下り始めたのだが――。 〈残雪上のトレースは不明瞭だったが、方向さえ間違わなければ、どこを下っていっても山頂をぐるりと回っている巻き道(*山頂を通らずに山腹を巻いて反対側に通じる迂回路)にぶつかるはずだった。途中、「ここは登るときに通ってきたな」と
2023/05/07 リンク