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「砂糖の世界史」のスケールに圧巻 :投資十八番
本書が商品としての「砂糖」の歴史、つまり製法云々の変遷を辿っただけであったのなら読み物として面白... 本書が商品としての「砂糖」の歴史、つまり製法云々の変遷を辿っただけであったのなら読み物として面白くもなんともありません。本書が圧倒的に面白い理由は、砂糖という「世界商品」を通じて近代以降の世界史をダイナミックに描いていることにあります。砂糖は大量生産によって人類の食生活を抜本的に変えましたが、それだけでなくイギリスの産業革命や、地球上の人間の配置をすら変えてしまった要因にもなったのです。 アジアのどこかが原生地だとされる砂糖きびは、のちにイスラム教徒の手によって「コーランとともに」西に西に移動し、ついにはヨーロッパ人の手によって「聖書とともに」新世界にもたらされます。砂糖の大量生産には膨大な人力を要するうえ、砂糖きびが土地の地味を急速に失わせる作物であるという特徴から、奴隷制に支えられた大規模プランテーションと土地と労働力を求めて移動せざるを得なかったのです。 イギリスを発した奴隷船は
2011/03/11 リンク