和歌山県北部の山上に広がる高野町。5月14日午後3時すぎ、町役場2階の町長室に職員が駆け込んできた。手にしていたのは「ふるさと納税に係る総務大臣の指定について」と記された5枚の紙。総務省から町への通知はなく、同省ホームページで公表されたばかりの報道資料を印刷したものだ。「選ばれましたねえ」。町長の平野嘉也(51)は、ふるさと納税の新制度で町が除外されたことを確認すると、苦笑いを浮かべて一言。次第に眉間にしわを寄せ、地元和歌山2区選出の総務相、石田真敏(67)による「退場宣告」を読み込み始めた。3分後、鬱憤がせきを切ったように、まくし立てた。「悪いことは一切していない。これではまるで無期懲役だ。決定には従わざるを得ないが、総務省こそ我々の施策を勉強すべきだ」【次回記事】ふるさと納税 制度乱す自治体に容赦せず総務省は同日、寄付集めが不適切だったとして高野町のほか、静岡県小山町、大阪府泉佐野市、