30代、40代の子連れ母親世代が、東京都心の消費を牽引している。最後のマス市場である「団塊ジュニア」が子育て期を迎えたことが背景にある。都市部の団塊ジュニア人口は増加中。その購買力に、企業も期待を寄せる。 東京都渋谷区にある表参道ヒルズ。「感度の高い大人の男女」を想定して2006年に開業した同施設だが、その情景は5年経って様変わりしている。 ベビーカー渋滞が発生 平日に目を引くのは、ベビーカーを押す、幼児連れの母親たちだ。施設内で待ち合わせをして、談笑する姿もあれば、じっくりテナント店舗を散策する姿もある。昼時になると、施設内のレストラン前には、横づけされたベビーカーの“縦列駐車”が出現する。「混雑時にはベビーカーを置く場所が足りず、臨時の駐機場を用意しているほど」と表参道ヒルズを運営する森ビルの穐山壮志・表参道ヒルズ運営室館長は言う。独身生活を謳歌する男女から、ベビーカーを押す母親へ。ヒ