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ブックマーク / www.chuko.co.jp (133)

  • 『天皇の装束』/近藤好和インタビュー

    の帯の写真は平成の即位式(1990年11月12日)の際のもので、天皇が着用しているのは黄櫨染束帯(こうろぜんそくたい)。平安時代以来の天皇の正装であり、明治天皇以降は即位式でも着用する。 過去を振り返ると、歴代の天皇は生涯の節目ごとに着用する装束(しょうぞく)が大きく変化した。皇太子は即位式を経て、天皇としての公私にわたる生活を始め、譲位すれば上皇となり、やがて出家して法皇となる場合もあった。ファッションとは全く異なる「装束が持つ意味」について、著書『天皇の装束 即位式、日常生活、退位後』を著した近藤好和さんに話を聞いた。 ――先生のご専門は。 私の専門は有職故実(ゆうそくこじつ)といいます。これは、天皇・公家が政治を行ううえで必要な実践の知識である公家故実と、将軍・武家が軍陣の際に必要な知識や幕府内での立ち居振る舞いを扱う武家故実に大別できますが、9世紀末以来の律令制から摂関制への移行

    『天皇の装束』/近藤好和インタビュー
  • 自分の認識を真っ向から覆される/堀川惠子

    小林和幸『谷干城 憂国の明治人』 小川原正道『西南戦争 西郷隆盛と日最後の内戦』 伊藤之雄『大隈重信(上) 「巨人」が夢見たもの』 伊藤之雄『大隈重信(下) 「巨人」が築いたもの』 この春、わけあって犬養毅の評伝を出版した。三年ほど他の仕事を中断して近現代史の文献を読み漁ったわけだが、お陰で深緑色の新書デスクに山積みとなった。中公新書は、その道の専門家が(比較的)分かりやすい筆致で長年の研究を新書サイズにまとめ、また詳しい出典も明示してくれるので、取材の入り口とするには絶好である。 マイベストを挙げれば、迷いなく『谷干城』だ。それまで谷と言えば国粋主義の親分くらいにしか思っていなかった。ところが今回の取材で、記者から軍人に転身しようとする若き日の犬養を諫めたという話を知り、「?」と思って書を手に取った。 藩閥に異を唱え、言論の自由を訴え、国際紛争は回避に努める。時代の流れに逆らって

    自分の認識を真っ向から覆される/堀川惠子
  • 中央公論新社

    垣谷美雨さん『老後の資金がありません』が 天海祐希さん主演で映画化! 2021年10月30日いよいよ公開

    中央公論新社
  • 『古代日中関係史』/河上麻由子インタビュー

    30代の新進気鋭の古代史家・河上麻由子さん。『古代日中関係史』では、倭の五王の時代から遣唐使派遣以降の500年に及ぶ通史を描いて下さいました。「通説」に変更を迫ろうとする意欲的な作品。彼女の執筆や研究への思いを聞きました。 ――『古代日中関係史』の執筆の動機は? 河上:高校生の時、新書(たぶん岩波ジュニア新書です。中公さんごめんなさい)を読んで日古代史に憧れました。確か、奈良文化財研究所の方が書いたものだったと思います。そのため、いつか、高校生も手に取ってくれる新書で、古代史を描いてみたいなと思っていました。 ――500年以上にわたる日中国の関係を描いていますが、最も注目して欲しい部分はどこですか? 河上:やっぱり、遣隋使でしょうか。画期だと思う点は、遣隋使は対等外交だったという大変オーソドックスな見解に対して、遣隋使もその前後の使者と同じく朝貢であり、対等を主張したなどという「画期

    『古代日中関係史』/河上麻由子インタビュー
  • 漢帝国―400年の興亡 -渡邉義浩 著|新書|中央公論新社

    渡邉義浩 著 漢字、漢民族という表現が示すように、漢は中国を象徴する「古典」である。秦を滅亡させ、項羽を破った劉邦が紀元前202年に中国を統一(前漢)。武帝の時代に最盛期を迎える。王莽による簒奪を経て、紀元後25年に光武帝が再統一(後漢)。220年に魏に滅ぼされるまで計400年余り続いた。中国史上最長の統一帝国にして、中国を規定し続けた「儒教国家」はいかに形成されたのか。その興亡の歴史をたどる。 書誌データ 初版刊行日2019/5/22 判型新書判 ページ数288ページ 定価968円(10%税込) ISBNコードISBN978-4-12-102542-5 書店の在庫を確認 ❑紀伊國屋書店 ❑丸善&ジュンク堂書店 ❑旭屋書店  ❑有隣堂  ❑TSUTAYA

    漢帝国―400年の興亡 -渡邉義浩 著|新書|中央公論新社
  • 『カラー版 虫や鳥が見ている世界―紫外線写真が明かす生存戦略』/浅間茂インタビュー

    山手線目黒駅から歩いて10分、高級住宅地として知られる白金台に国立科学博物館附属自然教育園がある。園内全体が天然記念物に指定され、入場者も最大300人に制限されるなど、貴重な都心の自然が守られている。 この自然教育園で、『カラー版 虫や鳥が見ている世界―紫外線写真が明かす生存戦略』を刊行した浅間茂さんにお話を伺った。 ――ずいぶん森が深いですね。 浅間:いまは鳥たちにとって子育ての時期です。木の上にカラスが鳴いていますね。あれはハシブトガラスです。ハシブトガラスは、地上で見つけた餌を木の上に持っていってべます。だから上下の移動が得意なんです。 来はこの自然園のように樹木の多いところに棲息しているのですが、都会のビル群も高いところと低いところがあるのでハシブトガラスにとっては生活しやすいんです。これにたいしてハシボソガラスは草原のような平らなところをぴょんぴょん飛んで餌を探します。だから

    『カラー版 虫や鳥が見ている世界―紫外線写真が明かす生存戦略』/浅間茂インタビュー
  • 『日本鉄道史 昭和戦後・平成篇』/老川慶喜インタビュー

    ――そもそも、なぜ鉄道史を志そうと思われたのでしょうか。 老川:最初から「鉄道史」に興味や関心があったというわけではありません。学生時代に、国鉄の急行列車に乗って日のあちこちをめぐっていましたが、とくに鉄道に詳しいわけではありませんでした。学生時代に「学園闘争」に直面したためか、就職がうまくいかなかったためか(両方だと思いますが)、4年生の夏休み頃からもう少し勉強してみようかと考えるようになりました。 学部の頃には西洋経済史のゼミに所属し、いわゆる大塚史学を勉強していました。その関係かどうか、発展途上国の問題に関心をもち、途上国への援助を行っているある政府機関に就職しようと思いました。書類選考、学科試験ともにパスしましたが、最終面接で落とされてしまいました。高等学校の教員採用試験も受けましたが、とても歯が立ちませんでした。そこで、大学院の秋入試を受け、こちらは何とか合格することができまし

    『日本鉄道史 昭和戦後・平成篇』/老川慶喜インタビュー
  • 『火付盗賊改』/高橋義夫インタビュー

    江戸の放火犯・盗賊・博徒を取り締まった火付盗賊改(ひつけとうぞくあらため)。その頭(かしら)といえば人気小説『鬼平犯科帳』の長谷川平蔵が有名だが、描かれる鬼平はあくまで創作上のキャラクターだ。実在した彼らの活動はどのようなものだったのか。『火付盗賊改 鬼と呼ばれた江戸の「特別捜査官」』を著した作家の高橋義夫さんに話を聞いた。 ――今回、執筆依頼を受けて、どのように感じましたか。 高橋:長い間、一読者として中公新書に親しんできた私のような者から見ると、特に歴史のジャンルでは、中公新書はわかりやすい専門書という位置づけになります。多くの人に理解されるが、学術的な基礎を踏みはずしてはいけない。つまり嘘はだめということです。 『火付盗賊改』は3冊目の中公新書になりますが、身が引き締まる思いがしました。だから原稿が遅くなったと言い訳するつもりはありませんが。 ――火付盗賊改とはどのような役職でしょう

    『火付盗賊改』/高橋義夫インタビュー
  • 『承久の乱』/坂井孝一インタビュー

    承久の乱といえば、後鳥羽上皇が鎌倉幕府を倒す目的で起こした兵乱というのが一般的なイメージではないだろうか。だが研究の進展により、そういった見方は過去のものになったという。ではなぜ乱は起こったのか。『承久の乱 真の「武者の世」を告げる大乱』を著した坂井孝一さんに話を聞いた。 ――先生のご専門はどういったものでしょうか。 坂井:日中世史、とくに平安後期・鎌倉前期の政治史・文化史です。文書や貴族の日記といった歴史学の史料だけでなく、軍記物語や和歌など文学作品に対しても歴史学的視角から考察を加え、この時代の政治や社会の実相を明らかにしたいと考えています。また、私自身が観世流の能や葛野流の大鼓を嗜んでいることから、室町期の芸能史(とくに能楽)の研究にも携わっています。観世流宗家観世清和師、能楽研究者の東京大学教授松岡心平氏とともに、観世能楽堂で開かれた能楽講座のパネリストを務めたこともありました。

    『承久の乱』/坂井孝一インタビュー
  • 漢字の字形 -落合淳思 著|新書|中央公論新社

    甲骨文字から篆書、楷書へ 落合淳思 著 「馬」の字からはタテガミをなびかせ走るウマの姿が見えてくる。しかし「犬」からイヌを、「象」からゾウの姿を想像することは難しい。甲骨文字から篆書、隷書を経て楷書へ――字形の変化を丹念にたどると、祭祀や農耕など中国社会の変化の軌跡を読み取れる。漢字がもつ四千年の歴史は、捨象と洗練と普及の歴史なのだ。書では小学校で習う教育漢字を取り上げた。眺めて楽しい字形表から漢字の歴史が見えてくる。 書誌データ 初版刊行日2019/3/19 判型新書判 ページ数224ページ 定価880円(10%税込) ISBNコードISBN978-4-12-102534-0 書店の在庫を確認 ❑紀伊國屋書店 ❑丸善&ジュンク堂書店 ❑旭屋書店  ❑有隣堂  ❑TSUTAYA

    漢字の字形 -落合淳思 著|新書|中央公論新社
  • 『気象予報と防災―予報官の道』/永澤義嗣インタビュー

    2018年を象徴する漢字が「災」であったように(日漢字能力検定協会)、異常気象とそれに由来する災害が多発しています。気象予報の最前線で長年活躍し、中公新書『気象予報と防災―予報官の道』を刊行した永澤義嗣さんにお話を伺いました。 ――書のタイトルに「予報官の道」と付いているように、書は気象庁予報官というあまり私たちが知らない職業について紹介しています。気象庁の予報官とは、全国に何人いて、どんな仕事をしているのでしょうか。また、いわゆる気象予報士とはどうちがうのでしょうか。 永澤:気象庁や全国の気象台で活躍している予報官の数は、全部で800人足らずです。 天気予報だけでなく、気象の解析(いまどうなっているか)・予想(これからどうなるか)や、警報(重大な災害の起こるおそれの警告)などを発表する仕事をしています。「予報官」が職名であるのに対し、「気象予報士」は民間気象会社などで気象予報の仕事

    『気象予報と防災―予報官の道』/永澤義嗣インタビュー
  • 中央公論新社

    垣谷美雨さん『老後の資金がありません』が 天海祐希さん主演で映画化! 2021年10月30日いよいよ公開

    中央公論新社
  • 中央公論新社

    垣谷美雨さん『老後の資金がありません』が 天海祐希さん主演で映画化! 2021年10月30日いよいよ公開

    中央公論新社
  • 第3回 「作者不明」の顛末①――イザヤ・ベンダサン『日本人とユダヤ人』|web中公新書

    垣谷美雨さん『老後の資金がありません』が 天海祐希さん主演で映画化! 2021年10月30日いよいよ公開

    第3回 「作者不明」の顛末①――イザヤ・ベンダサン『日本人とユダヤ人』|web中公新書
  • 菜根譚 -湯浅邦弘 著|新書|中央公論新社

    中国人の処世訓 湯浅邦弘 著 中国では長く厳しい乱世が多くの処世訓を生んだ。中でも最高傑作とされるのが、明末に著された『菜根譚』である。社会にあって身を処する世知と、世事を離れ人生を味わう心得の双方を記したこの書は、江戸期に和訳されて後、生涯の道を説くものとして多くの日人の座右の書となった。書では内容を精選して解説するとともに、背景となる儒教・仏教・道教の古典や故事、人物を丁寧に紹介、より深い理解へと読者を誘う。 書誌データ 初版刊行日2010/2/25 判型新書判 ページ数320ページ 定価902円(10%税込) ISBNコードISBN978-4-12-102042-0 書店の在庫を確認 ❑紀伊國屋書店 ❑丸善&ジュンク堂書店 ❑旭屋書店  ❑有隣堂  ❑TSUTAYA

    菜根譚 -湯浅邦弘 著|新書|中央公論新社
  • 『宇宙はどこまで行けるか』/小泉宏之インタビュー|web中公新書

    2014年に打ち上げられた超小型深宇宙探査機プロキオンに搭載されたイオンエンジン。小泉さんら東京大学のチームが作った 世界中の民間企業が自前の人工衛星を開発するようになった現在、衛星の小型化が進んでいる。『宇宙はどこまで行けるか』を書いた東京大学の小泉宏之さんは、小型衛星に用いられる超小型イオンエンジン開発の世界的なトップランナー。その小泉さんに、宇宙開発の現在と未来について話を聞いた。 ――小泉さんはイオンエンジンの研究を専門にしていらっしゃいますが、この研究に携わるようになった経緯を教えてください 小泉:大学の学部時代には流体の数値シミュレーションの研究を行っていたのですが、大学院に進む際に大学も研究分野も変更しました。高校時代から大学院では宇宙工学を学びたいと考えていたのです。大学院に進む際も方針は「宇宙工学に関する実験研究がしたい」という漠然としたものでしたが、なんとなく「遠くの宇

    『宇宙はどこまで行けるか』/小泉宏之インタビュー|web中公新書
  • 『公家たちの幕末維新』/刑部芳則インタビュー|web中公新書

    幕末の動乱を描いたものは小説映画、ドラマ問わず人気が高く、数も多い。しかしそこで描かれるのは武家たちの姿ばかりで、朝廷の公家たちは後景に退いていることが多い。はたして幕末の公家たちは歴史の影に埋没した存在だったのか。『公家たちの幕末維新』を書いた刑部芳則さんに話を聞いた。 ――まず書ご執筆の経緯を教えてください 刑部:前編集長と企画について打ち合わせしたとき、実は、私が提案したのは明治時代の公家華族に関するものでした。ところが、私の話を聞いた前編集長からは、明治よりも幕末をテーマにしてはどうですかと口説かれました。想定外の話だったため、明治か幕末かをめぐって1時間くらい話し合いました。その結果、幕末で執筆することとなったのです。 この面談の直前、『京都に残った公家たち』(吉川弘文館)を刊行したこともあり、明治を迎えるまでの公家の動向に関心がないわけではありませんでした。せっかく幕末の史

    『公家たちの幕末維新』/刑部芳則インタビュー|web中公新書
  • 第2回 大宅賞は辞退から始まった②――尾川正二『極限のなかの人間』、石牟礼道子『苦海浄土』|web中公新書

    連載は加筆・修正の上、中公新書『現代日を読む―ノンフィクションの名作・問題作』として2020年9月に刊行されました。現在、好評発売中です。連載第3回以降の記事は書籍でお楽しみください。 ■「心の中で言っていることを文字にすると、ああなるんだもの」 まず意図的な品切れを疑われた『苦海浄土』だが、1972年には講談社から文庫化されている。しかし、巻末に寄せられた渡辺京二の解説が物議を醸した。 《私のたしかめたところでは、石牟礼氏はこの作品を書くために、患者の家にしげしげと通うことなどしていない。これが聞き書だと信じこんでいる人にはおどろくべきことかも知れないが、彼女は一度か二度しかそれぞれの家を訪ねなかったそうである。「そんなに行けるものじゃありません」と彼女はいう。むろん、ノートとかテープコーダーなぞは持って行くわけがない。》 実は渡辺自身にとってもその事実はおどろきだったという。 《瞬

    第2回 大宅賞は辞退から始まった②――尾川正二『極限のなかの人間』、石牟礼道子『苦海浄土』|web中公新書
  • 第1回 大宅賞は辞退から始まった①――尾川正二『極限のなかの人間』、石牟礼道子『苦海浄土』|web中公新書

    連載は加筆・修正の上、中公新書『現代日を読む―ノンフィクションの名作・問題作』として2020年9月に刊行されました。現在、好評発売中です。連載第3回以降の記事は書籍でお楽しみください。 ■大宅壮一ノンフィクション賞の誕生 1970年4月8日、大宅壮一ノンフィクション賞の授賞式が新橋の第一ホテルで催された。 受賞者は『極限のなかの人間』を著した尾川正二(おかわ・まさつぐ)。もう一人の受賞者となるはずだった『苦海浄土(くがいじょうど)』の著者・石牟礼道子(いしむれ・みちこ)は受賞を辞退したため欠席。会場に現れた受賞者は尾川一人だけだった。 日のノンフィクション界を牽引してきた大宅壮一ノンフィクション賞は、このときが第1回だ。賞を創設することが発表されたのは前年の『文藝春秋』誌上であった。 《「事実は小説より奇なり」という言葉があるが、現代は、ある意味では「ノンフィクションの時代」といえる

    第1回 大宅賞は辞退から始まった①――尾川正二『極限のなかの人間』、石牟礼道子『苦海浄土』|web中公新書
  • 『公卿会議―論戦する宮廷貴族たち』/美川圭インタビュー|web中公新書

    ロンドンの大英博物館前にて。2016年秋から1年間の在外研究で、議会政治場イギリスのケンブリッジに滞在した 天皇や上皇を支え、朝廷の政治を動かした、「貴族の中の貴族」ともいうべき公卿(くぎょう)。風雅な趣味に興じ、遊んでばかりいたようなイメージとは異なり、彼らは真面目に政務に取り組み、かなり多忙でもあったという。奈良・平安時代から南北朝期まで、公家社会屈指のエリートたちが繰り広げた「会議」の変遷を『公卿会議―論戦する宮廷貴族たち』にまとめた美川圭さんに話を聞いた。 ――書名にもある公卿とはどういった人ですか。 美川:おおよそ、三位(さんみ)以上の位をもち、大臣、納言(なごん)、参議といった官職についているトップクラスの貴族のことを言います。人数としては20名弱から多くて30名ぐらいまでで、現代でいえば、内閣の国務大臣といったところです。 ――大昔の会議の様子を、後世の我々がうかがい知る

    『公卿会議―論戦する宮廷貴族たち』/美川圭インタビュー|web中公新書