メイド・イン・ジャパンにあらず、日本の製造業いずこへ――フィナンシャル・タイムズ(1) 2009年7月24日(金)09:00 (フィナンシャル・タイムズ 2009年7月20日初出 翻訳gooニュース) 東京=ロビン・ハーディング、ジョナサン・ソーブル 東京から約1時間の郊外にある海辺の町では、缶のようなサイズの建物が何列も並んでいる。建物の中ではエメラルドグリーンの機械が、工業部品としてもっとも基本的な、鉄の輪っかを次々と作り出している。機械の軸を支えて、ローラーやボールが回る、ドーナツ状のものだ。 藤沢市の日本精工(NSK)工場が作り出すベアリングは、500年前にレオナルド・ダ・ビンチがスケッチしたプロトタイプによく似ているかもしれないが、研究開発には相当の予算をつぎ込んできた最先端のものだ。年間の研究予算は100億円で、同社はたとえば機械油の調合を研究する化学者チームを抱えてい