JR西日本の電車22両から安全装置の部品が抜き取られた事件で、大阪府警に逮捕されたJR西日本大阪支社天王寺車掌区の車掌、藤田博和容疑者(49)が再三、自宅のある京都への転勤を希望し、職場の上司との面談で「通勤に約1時間かかるのが遠い」と不満をもらしていたことが21日、関係者への取材で分かった。転勤は実現しておらず、府警は会社に対する不満が原因の一つとみている。 関係者によると、藤田容疑者は年に2回実施される職場の上司との面談で、平成19年秋以降、計6回のうち4回、京都への異動希望を伝えた。一連の被害が発覚する直前の今年4月の面談では、「京都なら自宅から歩いて15分なのに、どうして電車を乗り継いで約1時間かかる大阪なのか」と不満を述べていた。 しかし、上司に「一般的な通勤圏内だと思う。大阪は職場の雰囲気も良いと言っていたでしょう」と諭されると、「そうですね」と答え、希望を強く主張しなかったと