2011年3月11日の東日本大震災直後、影響を受けた東北・関東一円では携帯電話による音声通話とメールがほとんど使えなくなった。企業が利用する携帯メールを使った安否確認システムでも、翌日の朝になってメールが届いたりしたサービスがあった。 携帯電話では、音声通話とデータ通信(パケット通信)のチャネル(電波)は分かれている。「音声通話は地震を検知すると自動的に通信規制するうえ、地震直後から通話が殺到してつながりにくくなった。しかし、パケット通信は通信規制はしなかったし、使えないという状況ではなかった」。KDDIの大内良久技術企画本部モバイル技術企画部通信品質グループリーダー担当部長は言う。 パケット通信のチャネルが混雑していないのにメールが受信できなかったり、配送が遅延したりしたのはなぜか。KDDIの場合、メール送受信の仕様によるものだという。 メールを送信する場合、送信側の端末がメールサーバー
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