地形性降雨の模式図 尾鷲に多量の降雨をもたらすメカニズムは地形性降雨により説明できる[20][21][22]。尾鷲市は熊野灘に面し[3][19]、沖合には黒潮(日本海流)が流れているため[19]、熊野灘からは1年を通して暖かく湿った空気が供給される[3][19]。この空気は海風となって尾鷲に吹き付け[1]標高1000m級の紀伊山地に衝突し、斜面に沿って上昇していく[20]。紀伊山地を越える頃には暖かかった空気の塊は5 - 6℃まで低下し、水蒸気が雲を形成する[19]。この雲に熊野灘から続々と暖かな空気が流れ込むことで一気に膨張し[19]、尾鷲に多量の雨をもたらす[1][3][19]。尾鷲湾岸から紀伊山地の大台ヶ原山まで14.5kmと近い上、急激に高度が上昇する地形、深く谷が刻まれた地形になっていることが尾鷲に多量の雨をもたらす雲を生成する要因となっている[23]。日本では、南東風が長時間持