本講演では、子どもの成長期に伴う機能変化に配慮した製品・サービス開発(キッズデザイン)を例題に、(1)データに基づく問題提示、(2)製品・サービス開発によるソリューション開発、そして、(3)魅力化までを一貫させる課題解決型イノベーションの事例を紹介する。また、最近の人工知能とIoTを活用した見守り技術、製品化に向け変えるべき要因の分析技術の試みや、高齢に伴う機能変化を考慮したデザインを扱うための留意点と、それに向けた情報基盤整備プロジェクトを紹介する。 子どもは身の回りのいろいろな人工物でけがをします。ですから、メインユーザーが大人の製品でも、子どもの目線でのデザインが求められます。子どもの事故が起こると、見守っていない親が悪いという議論が必ず出ます。しかし、見守りの効果は検証されていませんし、見守りの定義も曖昧です。従来は見守りの問題とされてきた事故予防の問題をどう産業化できるかがイノベ