「ヒラノ教授、あんたの時代はよかった」。工学部ヒラノ教授シリーズを読んだ現役教授たちは、私とおなじようにつぶやくだろう。ご本人は、どこがよかったのか、とおっしゃるかもしれない。しかし、20年ほど前、いろいろと不自由や不条理はあったけれど、国立大学はゆるくてのどかな場所だった。 この本では、その時代にヒラノ教授が(たぶんやむなく)手を染められた不正行為が大胆に開陳されている。しかし、窃盗罪や詐欺罪でも時効は7年。東京工業大学を停年で辞されてから10年以上になるヒラノ教授、いまさら咎められることもありますまい。それに、20年ほど前は、やったらダメとわかっていても、いかんともしがたい事情が多々あった。 某省の研究費など、どういう理由かは知らないが、毎年2月にならないと振り込まれなかった。単年度決済なのだから、3月の中旬までに使い切る必要があるにもかかわらず、である。もちろん計画は一年かけて遂行す
東京大学の前田健太郎先生の博士論文。非常に勉強になった。基本的には日本を中心とした丁寧な事例研究を通じて、公務員の数がどのように決まっているのかという問題を議論するもの。最後のところでは、計量分析の成功研究についての再現を使った分析をしていて、これは良い試み。実際のデータを追いかけると、有意とされている「独立変数の効果」というのがまあそれほど大したことないこともわかるし、再現を通じて分析される方はドキドキするかもしれないけど、データを公開して広く分析してもらうというのはありがたいことだろう。 本書の主要な主張をざっくり言うと、日本の公務員数が少ないのは早い時期から行政改革が行われたからだ、ということである。稲継裕昭先生や西村美香先生の公務員制度研究を踏まえて、それに続く研究として位置づけられることになるだろう。これまでの研究が、実態分析や歴史的経緯の跡付けをメインにしていたのに対して、本書
現代経済学の概要を知るのに非常によい本である。経済学部の新入生用のオリエンテーションを念頭に置いているが、経済に関心を持つ社会人が読んでも有益だ。経済学の各分野の概説だけでなく、数学、外国語(具体的には英語と中国語)についてていねいな学習案内がついている。 筆者が、共感したのは、渡辺智之教授(元財務官僚)の執筆による「政策のプロフェッショナルにとっての経済学 大学で学んだ経済学を、実務の仕事でどう生かすか?」だ。 渡辺教授は、 <一般に、大学で勉強した学問が実際の仕事ですぐに直接役立つことは少ない。むしろ、「『すぐに役立つ勉強』などは、すぐに役立たなくなる。長い目で役に立つのは、基本的な考え方をしっかり身につける勉強である」といったことがよく言われるし、たぶん、それは正しい。しかし、大学で経済学の基礎的勉強をしっかりやっておくと、実務でも、実はけっこう、つぶしがきく>(294頁) と述べる
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非西欧世界でいち早く近代国際体系への編入を果たした日本.その軌跡が,今の日本外交に重くのしかかっており,近代日本外交史を振り返ることは今日的な課題と言える.第一巻では明治国家の外交から両戦間期,そして30年代から第二次大戦中までを対象とし,国際関係の中で日本外交の原型がどのようにつくられてきたのかを探る. ■ 刊行にあたって 冷戦の終わり,「失われた20年」,政権交代と続くなかで,世界のなかでの日本の存在感はますます希薄になりつつあります.外交の様式それ自体も大きな変貌を見せ,そもそも「外交」とは何か,再定義が求められています.外交の舞台は二国間から多国間・近隣地域・国際社会へと多様化しており,外交を担うアクターは専門外交官だけでなく,地方自治体・経済団体・NPO・国際機関職員と,多層的に広がっています.外交を動かす力は,従来の軍事・政治・経済などのハードパワーから,文化・開発援助・環境・
本書は、戦後の日本外交を、対米従属派と自主独立派の抗争という視点から捉えたものである。我々がふつう信じ込んでいるより(あるいは信じ込まされてきたより)、米国の占領政策がいかに我が国の深部にまで及んでいるか、また独立後もいかに長く規定し続けているかを、克明に証明するものとなっている。 しかし、そのような粗筋や結論的主張を紹介するだけでは、この本の魅力は伝えられないだろう。むしろ、外交を実際に担う個々人の行動がどのような結果と結びつくかという細部を描くことによって、外交のケース・スタディーとして多くの教訓に満ちたものになっていることが、本書の特徴なのだ。 たとえば、つい先年(2010)ウィキリークスによって暴露された米国外交文書の中で明らかになった、2008年駐日イラン大使と駐日イラク大使の会談のエピソード(p−104)。それは、イラク大使から駐日米国大使館を通じて、国務省に報告されていたもの
平日はテレビなんてみないんだけど、久々にダラダラ見ているとTBSで『官僚たちの夏』の宣伝がすごいのね。僕は城山三郎が大好きで『官僚たちの夏』も素晴らしい作品だ。しかし、この時期に肝煎りでドラマ化することに対しては強い政治的意図を感じる。 本書の描く産業政策への官僚たちの情熱と効果への期待は、バブル崩壊の頃まで通説として広く人口に膾炙した。サブプライム危機以降の経済状況で、緊急の財政出動を行うに当たっても、例えばグリーン・ニューディールのように産業政策的なアプローチが世界的にも復権しつつあるかにみえる。 近々総選挙があって、恐らく官僚と政治との関係の在り方は重要な争点となるのだろう。つい先日も空前の規模で補正予算が組まれ、難視聴対策やら貧困層向けの受信機配布、エコポイントによるテレビ買い換え促進やらで放送業界に対して大規模な補助が出ている。これらの政策への賛否を議論する気はないが、この時期に
【早読み/先読み アメリカ新刊】これがオバマ大統領の100日外交の虎の巻だ (1/4ページ) 2009.5.6 13:00 【早読み/先読み アメリカ新刊】これがオバマ大統領の100日外交の虎の巻だDifficult Transitions: Foreign Policy Troubles at the Outset of Presidential Power「政権移行時ほど難しいものはない:新大統領にとって外交は鬼門」By Kurt M. Campbell & James B.Steinberg Brookings Institution Pressオバマ外交責任者2人が就任前に著した力作 オバマ政権の外交を立案・実施する責任者が「学者」として著したアメリカ外交論である。 筆者の1人、カート・キャンベルは、ヒラリー国務省で日本、中国など東アジア各国との外交を担当する国務次官補に起用され
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