夜のリューゼリオン王宮のその奥。三人の男が一室に集っていた。 王座を簡略化した白い椅子に座るリューゼリオン王。護民騎士団章を背負うカイン、一人灰色の実用的な椅子に座す文官長。都市の長とその文武の幹部だ。 明日から始まる都市の命運を決めるイベントの為の謀議だ。 「本日までの協議で我がリューゼリオン、ラウリス連盟、グンバルド連盟の三者間にはいかなる合意も成り立っておりません」 「グンバルドに至っては、明日の首脳会議を拒否して離脱しようとしました。あの様子では宣戦布告の場として考えていてもおかしくありません」 文官長とカインによる現状報告が終わると、王が口を開く。 「何の展望も開けぬまま三勢力の責任者が顔を合わせる。以前に想定した中で最悪の状況に陥っていると言うわけだな」 王の言葉に二人は神妙な顔で頷いた。だが、それを受けた二人の主は厳しい顔を僅かに緩めた。 「つまり、我々はぎりぎりまで時間を稼
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く