過目抄でも呆れ気味にブクマした http://hamusoku.com/archives/3553533.html ですが、大袈裟にいえば、わが日本伝統文化の危機だとも感じました。そこで、がらにもないことですが、古典的な(最新の教義研究とは全く関わらないことをお断りしておきます)仏教理解がどういうものであったかということに関心をお持ちの方々向けに、必要最低限の道しるべを提供したく存じます。本当に口足らずな説明にしかなりません。 仏教が宗教である以上、実践(信仰)と教義は不可分のものです。古典時代もそうでして、大きく分けて、1 法会・勤行、2 仏伝(および本生譚)・高僧伝・往生伝・霊験譚・寺社縁起、3 (宗派別の)経論研究、の3つの点において日本人は仏教に慣れ親しんでいました。わたしの当面の関心はスコラ的側面、つまり教義(「3」)にあります。ただし、ここでお話しすることは特定の宗派を称揚する