<1人当たりGDPは低くても、外交やビジネスといった交渉においてGDPの大きさは絶大な威力を発揮する> アメリカと中国のGDPが2030年前後に逆転し、中国が世界トップの経済大国になる可能性が高まっている。1人当たりのGDPなど国民生活の豊かさという点で中国はまだまだだが、国家覇権においてGDPがトップになることの意味は大きい。 他国に先駆けて、いち早く新型コロナウイルスの感染を収束させたことから、中国は以前の成長ペースに戻りつつある。アメリカもワクチン接種が順調に進んでいることから2021年1~3月期の実質GDP成長率は前期比プラス6.4%と急回復を見せた。 だがコロナ前の水準(19年)と比較すると、中国の名目GDPは約15%の増加が見込まれているのに対して、アメリカは約6%と中国が大きくリードしている。変異株など不確定要因があるので一概には言えないが、両国がこのまま従来の成長ペースに戻