沖縄・尖閣諸島をめぐり緊張が続く日中関係。軍事衝突が起きたらどうなる-。国民の多くが不安とともに抱いているそんな疑問に、評論家の宮崎正弘氏は「日本という国家の精神衛生上、このうえなく良いことである」と答える。 11月に発足した新指導部の顔ぶれから、中国の好戦性は高まったと宮崎氏は分析する。他方、日本では、「改正議論どころか、憲法廃棄論が常識化し、自衛隊強化など悠長な議論でしかなく、核武装を説く人たちが急増している」。つまり、近年の中国の横暴に触発され、日本はすでに国家としての「正気」を取り戻しつつあるが、軍事衝突はその流れを決定的にすると宮崎氏。犠牲はあっても、「日本が日本でなくなる日を防ぐ最後のチャンスでもある」と。本稿を、強硬姿勢で日本を心理的に屈服させようともくろむ中国への「反心理戦」と読むも可。三島由紀夫の追悼集会(憂国忌)の代表世話人を続ける著者の魂の叫びと読むも可。いずれにせよ