日本原子力研究開発機構が発注した除染モデル実証事業(二〇一一~一二年)で、中堅ゼネコンの日本国土開発(東京)が福島県南相馬市で生じた汚染水三百四十トン(同社推計)を、農業用水に使う川に流していた問題で、除染事業の下請けに入っていた水処理業者は一二年一月十六日、慎重な排水を要請したが、日本国土開発は耳を貸さず、逆に処理業者が撮影した現場映像の削除を強要したという。 この処理業者はNPO法人「再生舎」(さいたま市)のグループ会社。同月十二日に、担当区域だった南相馬市の立ち入り禁止区域にある金房小学校に入った。住民不在の現場で目の当たりにしたのは、汚染水が処理プラントに運ばれず、側溝に次々と流されていく光景だった。