麻生太郎副総理兼財務相は二十九日の衆院予算委員会で、佐川宣寿(のぶひさ)国税庁長官が昨年七月の就任時に記者会見しなかった理由について「国税庁所管以外に関心が集まっていたから実施しないと決めた」と明らかにした。佐川氏は財務省理財局長当時に行った「森友学園」問題を巡る国会答弁に関し、野党などから追及を受けており、麻生氏は記者会見での質問を避ける狙いがあったことを事実上認めた。 長妻昭氏(立憲民主)の質問に答えた。長妻氏は「税以外の質問が飛ぶから一切、公の場に出ないというのは驚いた。これほど税の信頼が失われる人事はない」と佐川氏の更迭を要求。麻生氏は「職務を適切に行っている。引き続き責務を果たしてもらいたい」と拒否した。